八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十七話 イタワッチさんの好きなものその八
「それでもね」
「取り立てたことは事実で」
「人を見る目もあったしね」
だから岩崎さんを見抜いたのだ。
「立派な人だったよ」
「憎たらしい悪党じゃなかったのね」
「本当に龍馬さんをよく描くと」
このことはいいにしてもだ。
「こうした人達を悪く描くね」
「そうした傾向が強いのね」
「傲慢で尊大で身分が低い人は虫ケラみたいに扱って」
「それで能力もなのね」
「悪く言うとチンケなね」
龍馬さんがスーパーマンでだ。
「そんな風に描かれるけれど」
「実際は違うのね」
「どの人もそれなりに優秀でね」
「立派な人達だったのね」
「一番の悪役の殿様もね」
山内容堂さんもだ。
「実はね」
「悪い人じゃなくて」
「見るべきところもあったんだよ」
「そのこと覚えておかないといけないわね」
「うん、悪人がね」
傲慢で冷酷非情で身分が低い人を虫ケラみたいに扱う人がだ。
「切腹させた人に申し訳なく思うか」
「平気でいるわよね」
「悪人ではなかったんだよ」
「その実は」
「あまり評判はよくなくても」
このことは事実だ、容堂さんは幕末では立場は悪役に近い。古い体制の人で武市さん達を切腹させたことは事実だからだ。
「事実を見るとね」
「悪人じゃなかったことは」
「覚えておかないとね」
「無能でもなくて」
「その立場で出来る限りね」
土佐藩藩主としてだ。
「能力と良心の限りね」
「頑張った人なのね」
「そうだよ、本当に龍馬さんを主人公とした作品だけ観たり読んだり」
そうしてだ。
「判断するとよくないよ」
「そうなのね」
「幕末ものは一杯あるけれど」
その仲でもだ。
「龍馬さんが主人公の作品は一番多いけれど」
「敵役が一番悪く描かれるのね」
「一方的にね、西郷さんを主役にしたら大久保さんが最後はね」
「敵役よね」
「そうなるけれど」
「お二人は幼馴染みだったわよね」
「その絆は凄く強かったから」
幕末、維新はずっと一緒で二人共お互いをとても大事に思っていた。
「袂を分かってもね」
「絆はあって」
「大久保さんはそんなにね」
「悪く描かれないのね」
「この人も凄い人だったしね」
冷徹と言われてもだ。
「だからね」
「言うなら一方の主人公?」
「もう一人のね」
西郷さんを主人公としてもだ。
「現代風に言うとその立場かな」
「じゃあいい役ね」
「ずっとパートナーで」
その立場でだ。
「征韓論で袂を分かっても」
「それでもよね」
「心は通い合っていた」
「そんな間柄だったのよね」
「そこが違うんだよね」
龍馬さんとはだ。
「長州藩だと吉田松陰さんがいて」
「それで塾の人達が仲間よね」
「そうなんだよね」
高杉晋作さんも木戸孝允さんもだ、もっと言えば伊藤博文さんもだ。
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