八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十六話 オートバイ仲間その十一
「もうね」
「そうよね」
「あの革命実は滅茶苦茶酷いんだよね」
「人一杯死んでるし」
「裏切り裏切られで」
実際にそんな風だから怖い。
「日本で言うとヤクザ映画みたいな」
「マフィアね」
「要するにね、そんなので」
「酷いのよね」
「崇高なものとは」
とてもだ、そうした現実を見ると。
「思えないよね」
「人間って崇高なばかりじゃないからね」
「そう、汚い部分もあって」
「フランス革命にしても」
「その現実は」
残念なことにだ。
「そうした一面もね」
「あるってことね」
「新選組だって結構そんなところあるし」
「あっ、暗殺とか多いわよね」
「それ特集してるクラスでも書いてたしね」
新選組を特集していたクラスが幾つかあってその中でそのことを書いていたクラスもあったのだ。新選組の中のことを。
「芹沢鴨さんとね」
「あと伊東甲子太郎さんね」
「二人共実力者だったけれど」
「殺されてるわね」
「もう芹沢鴨さんなんか」
「私あの人粗暴なだけの人かと思っていたわ」
イタワッチさんはこのことを話した。
「実は」
「ああ、俗に言われるみたいに」
「ええ、けれど実はだったのね」
「粗暴な一面はあったけれどね」
このことは事実だったみたいだけれどだ。
「器が大きくて剽軽で教養もあって」
「人の上に立つ人だったみたいね」
「何十人の人をまとめるね」
「それだけの人だったのよね」
「度胸もあったしね」
もう恐れるものなぞないというまでにだ。
「そんな人だったけれど」
「暗殺されたのよね」
「暗殺は会津藩から言われたそうだけれど」
「松平の殿様から」
「うん、商人の屋敷を焼き討ちしたとか」
「焼き討ちは事実よね」
「けれど事前に都の人達に知らせてね」
いきなり焼いたのではなかったらしい。
「周りを取り壊して火が回りに及ばない様にして」
「そこまでしてたのね」
「それで隊士で周りを警戒して」
「それで焼いたのね」
「このお店が結構評判悪かったらしくて」
何の罪もないと言えば嘘になった位だったらしい。
「それで周りに人も来ない様にしたから」
「被害が及ばない様にしたの」
「勿論お店の人達もね」
「結構良心的?」
「ドラマにあるみたいにいきなり焼き討ちにするとか」
そうした粗暴極まる所業はだ。
「なかったみたいだよ」
「意外ね」
「そういうのわかっている人で教養もあってあの服とか旗も」
「青のギザギザの」
「あの色浅葱色っていうけれど」
僕はイタワッチさんに色の説明もした。
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