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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十六話 オートバイ仲間その十

「もうやりたい放題の」
「そうした統治だったわね」
「実際は全然違うからね」
 もうそれこそだ。
「学校建てて教育して道とかダムとか線路とか橋とかね」
「一杯築いていたわね」
「軍隊にも入れたし」
 しかも士官学校に入ることが出来た。
「中将閣下にもなった人いたし」
「将軍様ね」
「校長先生にもなれたし」
 当時の学校の全体の一割程が半島出身の人だったらしい。
「日本に行けば国会議員にもね」
「なれたのよね」
「だからね」
「オランダの統治と全然違うわね」
「そうだよね」
「それでも言うのね」
「うん、けれどイタワッチさん達は」
 この学園にいるインドネシアの人達はだ。
「オランダに大声で言わないわね」
「言ったらそこから大喧嘩でしょ」
「確かにね」
「大体そんなことやったらイギリスとかフランスとか」
「もうどれだけの国に言われるか」
「そうなるからね」
 そうなってしまうからだというのだ。
「私達も言わないのよ」
「気遣いだね」
「人付き合いの為のね」
「そうだよね」
「それでも独立の時はね」
「大変だったんだね」
「全面戦争だったから」
 さっき名前が出たスハルトさんが立ち上がったのだ、尚この人は大戦中は日本軍と協力していた。つまり枢軸側だったのだ。
「大変だったしね」
「沢山の人が死んだよね」
「ええ、それでこの独立戦争がね」
「インドネシアにとっての革命だね」
「言うならね」
「独立革命かな」
「これはアメリカだけれど」
 独立革命というと、というのだ。
「けれどインドネシアも。マレーシアとかベトナムも」
「独立が革命だね」
「そう言ってもよかったのよ」
「そうなんだね」
「うん、それでね」
 イタワッチさんは作業をしながら僕にさらに話してくれた。
「その私達から見ても」
「幕末から維新にかけてだね」
「あれだけの動乱だったのに」
「三万の人が死んだにしても」
「少ないわよ」
 当時の日本の人口はおおよそ三千万位だった、つまり千人に一人が犠牲になった。
「随分と」
「そうなるんだね」
「死んだ人は帰らなくても」
「革命っていうとね」
「とんでもない数の人が死ぬから」
 革命には犠牲は付きものだ、俗にそう言われるがこう言って革命を起こす人は大抵とんでもない人なのは気のせいだろうか。
「三万とかね」
「とてもだよね」
「少ないから」
「フランス革命とかかなり死んだしね」
「百万とか死んでるでしょ」
「リヨンとか酷かったよ」
 フーシェが街の人口一割を粛清すると決めて本当にやった、当然この中には反革命でも何でもない人も入っていた。そもそも反革命で死刑とかその時点で民主主義じゃない。 
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