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ワールドトリガー~希望の架け橋~

作者:スズ
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第5話

9月3日、ボーダー本部

海人は仮入隊のためボーダー本部に来ていた。


「(何だかんだ入隊試験の時以来なんだよなぁ)」


海斗が三門に引っ越してきたのが8月30日。あれから意外と忙しくて仮入隊できていなかったのだ。
しかし、入隊式が明日に控える中、一度くらいは体験しといたほうがいいだろうということでボーダー本部にいるわけだ。


ボーダー本部の中に入り仮入隊用の受付を受ける。なぜか職員がキラキラした目を向けてくることに首を傾けたが聞くことはできなかった。


「では、初めての体験ということなので誰か隊員と一緒にということになります。えっと・・・・・あ、いたいた。辻君!!」



職員が呼んだのは黒髪にスーツの少年だった。


急に呼ばれた少年は?を浮かべながら近づいてきた。



「急に呼んでごめんね。確か二宮隊って防衛任務朝だったからないよね」

「そうですけど・・・・・」


「なら、お願いあるんだけど彼神崎海斗君。今日仮入隊初体験だから、よかったら一緒に見てあげてくれない?」

「神崎・・・・・・あぁもしかして君が?」

「俺の事、知っているのか。」

「俺も六頴館だから。2-Cの辻新之助です。」
「辻。よろしく。俺のことしっているみたいだけど改めて神崎海斗だ。」

「よかった。じゃあ頑張ってね!」

「ありがとうございました」







「明日入隊式なんだけど、初めてなんだね」
「あぁ、こっちに引っ越してきたのが30日だったし、初めて親元離れて一人暮らしするのも初めてで必要なものそろえたり、どこに何があるのか確認するために散策したり。9月入ってからはすぐ実力テストだったからその勉強もしてたから。今日しか来れる日がなかったんだよね。入隊式で何するか知らないけど何もせずに入るのと一日だけでも体験して入るのとじゃ全然違うと思ったからね」


「(なんかすごい考えてるんだなぁ)すごいね。俺、入ったときそんなこと全然考えてなかった」

「そうか?まぁおれ、自分で何ができることはないかと思って三門に戻ってきたから一分でも無駄にはしたくないんだ」

辻は海斗の考え方を知り、そしていずれ海斗はボーダーになくてはならない人材になるのではないかと無意識のうちに思った。

そうしているうちに目的地に到着した。


「ここは仮想訓練施設だ。」


中を見渡すと白い隊服に身を包んだ隊員たちが戦闘訓練を行っていた。

辻が歩き出したので海斗も辻の後を追いかける。


そして誰も使っていない訓練ブースの前で足を止めた。


「ここはだれも使っていないみたい。ここでいいか?」

「あぁ」

「じゃあ体験する前にトリオン隊やトリガーについて説明するよ。」

「お願いするよ」

「じゃあ、まずトリガーというものは・・・」


トリガーには主に近距離、中距離、遠距離用の攻撃用トリガーがある。

さらにこれら三つを分けると


攻撃手・・・接近戦のスペシャリスト
 ・弧月・・・基本性能がどちらにも優れているバランス型。
 ・スコーピオン・・・・体のどこからでも出せる変則ブレード。かなりの軽量型だが耐久力は壊滅的
 ・レイガスト・・・・ブレードを盾にする「シールドモード」がある守備的トリガー。かなり重量型


中距離

 銃手・・・中距離から銃型トリガーでトリオンで作った弾を打ち出す。(突撃銃型、拳銃型)


 射手・・・入れ物を使わずに直接弾を分割して攻撃する。


  ・アステロイド・・・基本的な弾で、直線状に飛ぶやや威力高めの弾
  ・ハウンド・・・・対象を自動で追尾する誘導弾。
  ・バイパー・・・弾道を自動で設定できる変化弾。難易度が上がるとリアルタイムで弾速を設定することもできる。
  ・メテオラ・・・着弾するとその場で爆発する。広範囲に攻撃できる炸裂弾。



狙撃手・・・・・相手の間合いのはるか遠くに潜み、射程の長い銃で精密射撃を叩き込むポジション

 ・イーグレット・・・・トリオンが多いほど射程距離が延びる。弾速や威力もそれなりに高いバランス型。

 ・ライトニング・・・・一番軽いため初心者には最も扱いやすい。トリオンが多ければ弾速が早くなる

 ・アイビス・・・・・最大威力を誇る狙撃銃。トリオンが多ければ多いほど威力を発揮する。


「とりあえず攻撃用トリガーはこれぐらいかな。他にも近距離と中距離を合わせたオールラウンダーや罠を仕掛けるトラッパーがあるんだけど。C級はトリガー一つだけだしこれくらいでいいよね。」


「あぁ、ありがとう。よくわかってきたよ。」

「じゃあ一つトリガー選んでみて。」


辻に言われて改めて考えてみる。


「・・・・・・弧月にするよ」

「決まったな。理由だけでも聞いていい?」

「そうだな。自分はこう見えて運動神経には自信があるんだ。そしてポジションだけど狙撃手は自分のタイプじゃないなって感じた。自分的に興味があったのは攻撃手と射手だ。考えるのも好きだしね。だけど初めてなのに考えて、動いてだと自分がパンクしそうだったからB級になってから考えようかなと」

「攻撃手の中で弧月を選んだのは単純に弱点が一番少なかったからかな」


「なるほど、自分もメインで弧月使っているんだ。だから教えられるよ。」


辻は納得し、次の段階に移る。

「次はトリオン体になることだ。そのトリガーを持ったままトリガーオンと言ってみて。」

「わかった。トリガーオン」


その言葉を言ったとたん海斗の体は見る見るうちに白い隊服に変わっていった。

「どう?それがトリオン体なんだけど」

「ん~いつもと変わんない感じかな?違和感全然ない」

「トリガーオンしたことによって神崎の本来の体はトリガーの中に格納されているんだ。ちなみにだけど設定によっては痛覚をオフしたり痛みを設定したりすることもできるわけだ」


「なるほど、なんとなく理解できた。」


「それじゃここからトリオン兵相手に戦ってみよう。」

そういって訓練室の設定をいじりだした。
「これがバムスターだ」

「これがトリオン兵!!」

「神崎は見るのも初めてなのか?」

「あぁ。それにしても大きいな。確かにみんながビビるわけだ」

「だけど、実物はもっと大きい。これは訓練のために小型化してあるものだからな」

「ほぅ、じゃあ早速やってみてもいいか?」

「あぁ、タイム図るか?」

「お願いする。」

そして、訓練室の中に海斗が入る。


「(見た感じ、装甲は分厚そうだ。だけど目に一撃入れられたら相当なダメージを与えることが可能そうだな。)」

「よーい、はじめ!!」


合図と同時にバムスターが口からビームを吐く

それを後ろにジャンプしながら交わした。

「(なるほど、相当無茶なアクロバティックが可能というわけだ。なら・・・)」

後ろの壁をけり、バムスターに向かう。そして地面すれすれから下腹を思いっきり弧月で掬うように切り裂く。思いっきりバランスを崩したバムスターの目にとどめの一撃を加えて消滅させた。


「記録10秒」


「ふう(この記録はどうだったのかな)」

それを外から、見ていた辻は


「(早い!!トリオン兵を見るのも初めてだったはずなのに!!)」

周りにいたおそらく彼と同期になるであろう仮入隊の人たちも大きなどよめきが広がっていた。


「神崎はすごいな!!」

「!奈良坂。間に合ったのか」

「あぁ、それにしてもいいものが見れた。」

訓練室から海斗が出てきた。

「あれ、奈良坂もいたのか!」

「あぁ、辻から連絡をもらってな。」

「そうなのか。10秒というのがどのぐらいなのかわからないんだが」

「10秒はかなり早い数字だ。1分切ればいいほうと言われているらしいからな?。」

「ん?らしい?」

「奈良坂は狙撃手なんだ。だからこういった訓練はしたことないんじゃないか。」

「あぁ、おれは入隊の時から狙撃手一筋だから。こういったのには縁がなくてな」

「なるほど、俺の動きはどうだった?」

「正直初めてなのかを疑うほどよかったよ。アドバイスすることなんてないんじゃないか?」
「トリオン体はどこまで動けるのかわからなかったからはじめジャンプしたとき高く飛び上がりすぎてびっくりしたけどね」
「それにしてもすぐに対応していたような気もするけどね。」


「じゃあもう少し、訓練していっていい?」


「どうぞ」



こうして初めての訓練は終わっていった。

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