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ヘタリア大帝国

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TURN27 人類統合組織ソビエトその三

「今カテーリンさんの傍にはミーシャちゃんと妹がいるけれどね」
「では妹さんからのお話は」
「特に何も聞いてないよ」
 妹からもだ。カテーリンの政策の話は聞いていないというのだ。
「全然ね」
「そうなの」
「うん。まあ行ってからかな」
 そのうえでわかることだというのだ。
「それからだね」
「そのことがわかったわ」
 ベラルーシは淡々とした口調で兄に言葉を返した。
「それじゃあまずは」
「お茶を飲んでからね」
「そのうえでカテーリンさんのところに行きましょう」
「それにしても変わったね」
 ロシアはベラルーシの話の後でこんなことも口に出した。
「僕達の国もね」
「そうですね。前はロシア帝国で」
 リトアニアが応える。その横ではラトビアが泣いていてエストニアが宥めている。
「貧富の差があって」
「今はお金自体がないからね」
「共有主義になってですね」
「皆平等になったからね」
「もう階級はないですからね」
 そうした社会になったというのだ。今は。
「本当に何かもが変わって」
「国の名前も変わって」
「人類統合組織ソビエトですね」
「いい名前だよね。それにね」
 ロシアは楽しげに言っていく。
「皆一緒なんだよ。お友達なんだよ」
「友達ですか」
「僕ね。ずっと友達がいなかったから」
 少し寂しげな笑みになってこんなことも言うのだった。
「だからね」
「ロシアさんには」
「フランス君は友達で。オーストリアさんもそうだけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「子供の頃はずっといなかったからね」
「じゃあ今のソビエトは」
「凄く嬉しいよ。だって国民の皆も他の国も皆平等なんだよ」 
 平等ならばだというのだ。
「友達になれるんだよ。凄くいいじゃない」
「確かに。共有主義は案外ロシアさん向きかも知れないですね」
 リトアニアは少し考えてからロシアに答えた。
「皆同じなら」
「インド君やキューバ君とも仲良くなりたいな」
 ロシアはにこりとして言う。自分の好みを。
「イタリア君達ともね」
「僕はフィンランドさんとでしょうか」
 エストニアも少し考えてから言った。
「あの人とはずっとお友達でいたいですね」
「俺はやっぱりポーランドかな」
 リトアニアは自分の相棒の話をした。
「また一緒になれたらいいな」
「あの、僕は」
 バルト三国で一人だけだ。ラトビアは泣きそうな顔になっている。
「僕はドイツさんが」
「えっ、あの人凄く怖いよ!?」
 リトアニアはドイツに対してはこう言うのだった。
「それに俺とポーランド前あの人の相棒の人とやり合ったことあるから」
「けれど僕今お友達シーランド君だけなんですよ」
 実に友達が少ないラトビアだった。
「もっと。お友達が欲しいです」
「私も。誰かいないかしら」
 ウクライナもラトビアと状況は変わらなかった。大きな胸を揺らしながら泣きそうな顔になっている。
「本当に。誰か」
「私はお兄様さえいれば」 
 ベラルーシは危険な光を放つ目でロシアを見ている。ロシアもそれを見て恐怖を感じている。
「誰もいらないから」
「まあね。皆仲良くできるよ」
 妹のことは置いておいてだ。こう締めくくるロシアだった。
「共有主義ならね」
「人類統合組織ソビエトはこれからですね」
「そうだよ。本当にこれから素晴しい国になるんだよ」
 ロシアは今度はラトビアに答えた。
 
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