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ヘタリア大帝国

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TURN26 親衛隊その八

「とのことです」
「博士は俺のこと嫌いじゃねえのかよ」
「馬鹿だがな」
 こう言うのは忘れなかった。
「しかし嫌いではない」
「馬鹿っていうのだけ余計だよ」
 尚田中も士官学校を出てはいる。学校の勉強はそれなりにできる馬鹿なのだ。ただし士官学校での成績は下から数えた方が早い程だった。
「けれど嫌いじゃねえのかよ」
「一本気な者は嫌いではない」
 だからだというのだ。
「君にはそれがあるからな」
「俺は曲がったことは大嫌いなんだよ」
「そうだと思っていた」
「だからだ。ではだ」
「では?今度は何だよ」
「君は潜水艦に興味はあるか」
 何気に平賀は彼女の言いたいことの本題を久重の口から言ってみせた。
「それはどうなのだ」
「ああ、それかよ」
「そうだ。どうだそれは」
「あれ結構面白いな」
 腕を組み考える顔になってだ。田中は答えた。
「姿を消して敵を攻撃するんだな」
「ドクツ軍の秘密兵器だが」
「あのデーニッツって娘が持って来たからな」
「今私も潜水艦について研究している」
 そうしているというのだ。
「あれは実にいい。素晴しい発明だ」
「あれをまさか」
「開発する」
「試作型か」
「今それを開発中だ。まずは試作型を一隻建造する」
 そうしている中だというのだ。
「君に一度試験的に乗り込んでもらいたいのだ」
「いいぜ、そういうのも好きだからな」
「試験型であり命懸けだがそれでもいいか」
「ああ、いいぜ」
 田中は平賀が久重の口から話すこの提案に快諾で応えた。
「乗り込まさせてもらうぜ」
「わかった。それではだ」
「しかし。潜水艦か」
「試作型空母はできている」
 平賀は何気にだ。今度は南雲と小澤を見た。そのうえで二人にも言ったのである。
「空母の艦隊の指揮はだ」
「あたし達っていうんだね」
「そうですか」
「南雲君はどちらかというと戦艦の方がいいかも知れないがな」
 だがそれでもだというのだ。
「しかし空母は潜水艦と共に我が軍の重要な柱となる」
「はい、その通りです」
 小澤はぽつりとした感じで平賀のその言葉に答える。
「私は空母にかなり興味が」
「あるのか」
「あれはまさに革命です」
 そこまでの存在だというのだ。空母は。
「航空機を使っての戦いには魅力を感じてやみません」
「あたしもね。苦手かも知れないけれどね」
 南雲も明るい笑みで述べてきた。
「あれを指揮するのは興味があるね」
「では君達の他にも空母を扱える者だけの数が必要だな」
 空母、それがだというのだ。
「開発を急ぐ。待っていてくれ」
「それで俺は潜水艦かよ」
「戦争が進むと魚では辛くなってくる」
 このことも考えられることだった。それも充分に。
「ガメリカも強力な兵器を出してくることが間違いないからな」
「そうですね。序盤はいけますが」
 小澤も平賀のその久重の口からの言葉に応えて言う。
「やがては。お魚では戦えなくなります」
「あれはあくまで急場を凌ぐものだ」
 平賀は淡々と述べていく。その事実を。
「開戦時のな」
「しかしです」
「戦争が本格化してくるとやはりまともな兵器が必要だ」
「お魚もそれなりに強いですが」
「だが癖が強く索敵能力も弱い」 
 平賀は魚の欠点も把握していた。魚は確かにそうしたところがあった。
「ガメリカやエイリスとの決戦には心もとない」
「だから潜水艦や空母を開発するってんだな」
「如何にも」
 その通りだとだ。平賀はまた田中に答えた。
「君と〆羅には潜水艦を任せたい」
「あの娘にもかよ」
「そうだ。潜水艦に空母、そして戦艦」
 三つの艦種が述べられていく。
「巡洋艦と駆逐艦も必要だがな」
「これからはその三種類を組み合わせていくのですか」
「この戦いから戦争のあり方が大きく変わる」
 平賀は小澤にこの事実を述べた。
「なら私はその開発を行う」
「じゃあ頼むぜ」
「巡洋艦も防空用のものが必要になるか。それに」
 これは平賀の独り言だった。彼女も考えていた。
「駆逐艦は鉄鋼弾の方がいいな」
「ああ、ビームの奴はちょっとね」
 南雲がその駆逐艦について平賀に話す。
 
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