八条学園騒動記
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第五百四十六話 〆に入れるものその九
「それ位だからな」
「もう忘れられてるわね」
「王家はな」
「それでその王家の方も日本では」
「縁組されてな」
そしてというのだ。
「皇族だったんだよ」
「そうなのね」
「それでな」
きし麺をすすって焼酎をぐい、と飲んでからさらに話した。
「大将閣下にもなってたよ」
「大将なのね」
「そう、元帥の下だからな」
「軍隊で滅茶苦茶偉いわね」
「連合で元帥は滅多にいないからな」
百三十億の大軍の中でも三十人しかいない、十億のエウロパ軍よりもその数は少ない位であるのだ。
「大将だってな」
「滅多によね」
「なれないけれどな」
「それ日本軍でもだったの」
「どの軍隊でも大将になることは」
それはというのだ。
「難しいんだよ、それもかなりな」
「それで日本軍もなのね」
「当時の日本軍は少将になる時点でな」
「難しかったのね」
「かなりな、天皇陛下ご自身が任命されるからな」
所謂直任官である、陛下ご自身が任命されるということはもう大臣や知事と同じ位の立場であったのだ。
「それまでの階級とはな」
「違ってたのね」
「他の国でも議会の承認や国家元首が直接な」
「任命してたのね」
「何でも連合でもな」
自分達の国でもというのだ。
「大将は議会の承認がな」
「必要なのね」
「あと各国軍でもな」
韓国軍も入っていることは言うまでもない。
「しっかりとな」
「国家元首がなのね」
「任命するものだよ、それで議会もな」
「承認するのね」
「そうした立場でな、当時の日本軍でも」
「皇族扱いで」
春香がこのことについて心の中で確かにかなりだと思っていた。
そのうえでだ、兄に対して応えた。
「しかも大将閣下だったのね」
「軍司令官でな」
「それって偉いの」
「今の連合軍だとな」
「どうなの?」
「艦隊があってな」
それでというのだ。
「その上に軍団、そして軍があって」
「その司令官さんなのね」
「だからな」
洪童は当時の日本軍が師団の上に軍団はなくすぐに軍という単位になることを知らないまま話した、ただ師団が艦隊に相当していることは知っていた。それで話しているのだ。
「もうな」
「相当偉い人ね」
「そうだったんだよ」
「じゃあ閣下とか言われてたのね」
「殿下ともな」
「滅茶苦茶偉い立場だったのね」
「厚遇されてたからな」
それは天皇皇后両陛下そして皇太子殿下ご夫妻の次に来る立場とされていた位だ。
「その人の民だったらな」
「普通に扱い悪い筈がないわね」
「変なことしたらな」
それこそというのだ。
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