八条学園騒動記
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第五百四十六話 〆に入れるものその八
「あそこも」
「それでな」
「大学に行けて」
「軍隊にもな」
「入れたのね」
「それで中将になった人もな」
将官にもなったというのだ、尚当時の将官は天皇陛下ご自身が任命されるという立場であり宮中にも出入り出来た。
「いたからな」
「閣下ね」
「士官学校に入ってな」
「色々同じだったのね」
「っていうかな」
ここで洪童はこうも言った。
「台湾よりもな」
「あそこよりもなの」
「よかったみたいだな、待遇が」
連合の一国であるこの国よりもというのだ。
「どうも」
「台湾も日本だったのよね」
「あそこにも日本は大学建てたけれどな」
「あそこにもなのね」
「台北大学な」
当時は台北帝国大学といった。
「あそこもな」
「日本が建てて」
「色々統治したけれどな」
「韓国より扱い悪かったのね」
「そうみたいだな」
「けれど台湾日本に何も言わないわね」
「むしろいいことばかり言うよな」
この時代の台湾も親日だ、むしろ連合では互いの国益で衝突している場合を除きお互いに批判し合うことはない。
「あそこは」
「そうなんだよな」
「けれど我が国は」
「ずっと言ってるんだよ」
「漫画みたいな統治されたってね」
「世紀末の世界みたいなな」
「それも救世主のいない」
その救世主は一子相伝の暗殺拳の使い手である。
「そんなね」
「それでよく人口倍になるか?」
「ならないわよね」
「識字率も上がったりな」
「それもなかったわよね」
「平均寿命も延びてな」
人口増加と共にこちらも改善されたのだ。
「もうな」
「それこそよね」
「本当にな」
それこそというのだ。
「ないからな」
「そうよね、本当に」
「王家は日本の皇室に縁組されて」
「日本の皇室になってたのよね」
「今その王室どうなったか」
李氏朝鮮の王室である、六百年以上続いていた。
「知ってる人少ないよな」
「私知らないわよ」
「今お寺でお坊さんしているらしいな」
「そうなの」
「韓国でな」
「まだお家あるのね」
「けれどな」
「もう王家じゃなくて」
春香はビールを飲みつつ応えた。
「お寺で」
「それでな」
洪童もビールを飲みつつ応じた。
「どうしているかもな」
「知ってる人少ないのね」
「お前も知らなかったよな」
「今の今までね」
「俺もこの前ネットでちらっとな」
「見てなの」
「知った位だよ」
洪童自身もというのだ。
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