夢幻水滸伝
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第百十八話 二帝の別の顔その八
「ほんまええで」
「そうなのね」
「うちも二日酔いなったことないけど」
綾乃も言ってきた、エカチェリーナに負けない勢いで飲んでいてそれで止まることはないといった感じだ。
「あれってほんま辛そうやね」
「死にそうになる」
リーが綾乃に答えた。
「私は特にワインの時が辛い」
「私はビールね」
シェリルはこちらだった。
「二日酔いは地獄よ」
「全くだな」
「その時はね」
「しかしその後の風呂はな」
その時はというのだ。
「実にいい」
「そうね、本当に」
「シャワーだけやとな」
「抜けきらんからな」
トウェインと施はこう話した。
「湯舟やとどんどん抜けるが」
「シャワーは基本浴びて終わりやしな」
「そこがお風呂はちゃう」
「サウナもな」
今度はメルヴィルと羅が話した。
「汗滅茶苦茶かいてな」
「それでお酒が抜けて気分もよくなる」
「あの感覚がいいのよね、ただね」
アレンカールは美味く羊肉を食べつつ話した。
「二日酔いで起きた時はね」
「死にそうになってるな」
「気分最悪よ、明日の朝もね」
「そうなってるけどな」
「それはもう覚悟のうえで」
アレンカールは飲みつつまた話した。
「今は楽しむことよ」
「あの、刹那的では」
どうにもとだ、ターリヤは中里達二日酔いをする面々の言葉にややおどおどした気弱そうな態度で問うた。
「それは」
「いやいや、それでもお酒はな」
「美味しいからですか」
「飲むんや」
「お酒は確かに美味しいですが」
「そやから飲んでな」
そしてというのだ。
「二日酔いになってお風呂でな」
「そのお酒を抜くと」
「そや、しかし自分等ほんまにな」
どうにもとだ、また言う中里だった。
「公の場とギャップ凄いな」
「そこでまたそのこと言います?」
「外見一緒でも別人に見えるわ」
「ですが私は私で」
それでとだ、ターリヤはまた言った。
「そしてです」
「エカチェリーナちゃんとタゴールもやな」
「同じ人ですよ」
「二重人格でもないか」
「そこまでいかないかと」
これがターリヤの考えだった。
「言うならです」
「スイッチがやな」
「オンとオフになって」
それでというのだ。
「変わるのかと」
「そうなんか」
「はい、公の場を去りますと」
その時はというのだ。
「起きた世界では授業や部活が終わると」
「その瞬間にやな」
「こうなります」
「これがこの娘で」
シェリルがまたターリヤのことを話した。
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