| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十八話 二帝の別の顔その七

「何でも三輪大社の神様からな」
「あちらは蛇の神様だったわね」
「それでお酒の神様やから」
「だからうわばみなのね」
「そやで」 
 実際にというのだ。
「日本で大酒飲みはそう呼ぶねん」
「成程ね」
「それで三人はやね」
 綾乃は宴の主の座で飲みつつエカチェリーナ達を見て言った。
「お酒については」
「そうなの、酔わないの」
 エカチェリーナが答えた。
「本当に」
「そうやねんね」
「三人共」
「多分あれやな」
 ここでまた芥川が言った。
「ウォッカやそういうのでな」
「鍛えられているのね」
「そや、そのせいでな」
 こう彼に言うのだった。
「三人共酒が強いんや」
「確かに私この世界でもウォッカよく飲むわ」
「ウォッカ大好きなのです」
 ターリヤもこの酒は好きだった、それを自分でも言う。
「それでどちらの世界でもなのです」
「いつも飲んでるか」
「はい、起きた世界では寮で」
「ウォッカ飲んでるか」
「女子寮で」
 そこでというのだ。
「夜寝る前に女の子同士で集まった時に」
「成程な、ただな」
「ただ?」
「いや、飲んだ後はお風呂はな」
「あっ、駄目ですよね」
「酔ってすぐに入るとな」
 それはというのだ。
「危ないからな」
「心臓によくないですね」
「海外組の寮にもお風呂場にサウナあるやろ」
「はい、それでロシアやフィンランドの娘が特にです」
「入るな」
「どちらもサウナの国なのです」
 ターリヤは芥川にこう答えた、しゃぶしゃぶを食べつつ話していく。
「だからなのです」
「そこはやな」
「しない様にしています」
「まあな、それ守ってたらな」
「いいのですね」
「身体の為にな」
「ではお酒の後は」
「朝に入るんや」
 所謂朝風呂だというのだ。
「二日酔いには一番や」
「そう聞いてるけれど」
「経験ないんやな」
「私はね」
 エカチェリーナは芥川にその奇麗な声で答えた。
「だから二日酔いの経験がないから」
「ほな朝風呂もか」
「そっちはあるけれど」
 それでもというのだ。
「二日酔いで入ったことないから」
「ほなあのお酒が抜けて頭の痛みもだるさもなくなってく感覚もか」
「知らないから」
「ううん、それは凄いな」
「凄いかしら」
「あの辛さと快感知らんのはな」
「快感なの」
「お酒が抜けてくのはな」
 風呂の中でそうなることはというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧