八条学園騒動記

「それでね」
「日本に入ってな」
「そして我が国にも入ってね」
「食べてるからな」
「そうよね、まあ日本から入ってね」
「韓国料理にもなったな」
「そうした食べものってことね」
　韓国の刺身はというのだ。
「それでユッケもあるし」
「あと蛸を生きたまま切ってな」
「食べるわね」
「ただしそっちの味付けも」
　韓国の刺身、ユッケや蛸を生きたまま食べるものもというのだ。
「やっぱりな」
「辛いのよね」
「コチュジャンとかで食うからな」
「そうそう、そしてそれがね」
「美味いよな」
「そうなのよね」
　春香は自分から話した。
「これが」
「けれど本当にそっちの味付けだな」
「唐辛子と大蒜ね」
「どっちもふんだんに使ってな」
「滅茶苦茶辛いのよね」
「そこは韓国料理になってるよな」
「イメージ的にもね」
　豚肉を食べてビールを飲む、それからまた春香は言った。
「そうよね」
「連合全体でな」
「エウロパでも言われてるわよ」
「ああ、そうなんだな」
「けれど気にしないわよね」
「お貴族様の口には合わなくてもな」
　エウロパ貴族にはとだ、洪童ははっきりと話した。
「別にな」
「いいよね」
「あの連中が連合のことを何といっても」
「いつもだしね」
「気にならないな」
「そうよね」
「貴族は味のないもの好きなんだよ」
　洪童はエウロパ料理それも貴族達が食べるものの噂から話した。
「量も少なくてな」
「それでお高く止まった」
「そうしたのが好きでな」
　それでというのだ。
「韓国料理にはな」
「合う筈がないっていうのね」
「だから何言われてもな」
「気にしないっていうのね」
「ああ、味のないものなんて食ってもな」　
　洪童は野菜を食べる、鍋の中のそれも真っ赤だ。
「仕方ないしな」
「チゲ鍋ないわよね」
「絶対にな」
　洪童は断言した。
「それは」
「やっぱりそうよね」
「こうした味付け自体ないんだよ」
「大蒜と唐辛子は使うでしょ」
「イタリアとかスペインはな」
「スパゲティとかパエリアとか」
「そういうのは使っても」
　大蒜、そして唐辛子をというのだ。
「真っ赤になるまではな」
「使ってないのね」
「ああ、結構使うといっても」
　それでもというのだ。
「それで赤くてもな」
「トマトの赤ね」
「そっちの赤だしな」
「味も全然変わるわね」
「そんなのだからな」
　それでというのだ。