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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十三話 隅田川その八

「強過ぎるって言われるけれど」
「戦争に出る位だからだね」
「いや、喧嘩も強いの」
「夫婦喧嘩とかにも」
「もうそれで逆に旦那さんを豹みたいにやっつける奥さんとかね」
「うわ、豹なんだ」
「そう、もう凄いから」
 猛獣並の強さだというのだ。
「ベトナムの女の人と結婚したらね」
「その時はだね」
「夫婦喧嘩に注意してね」
 こう僕に言ってきた。
「若し蝶々夫人みたいなことになったら」
「あの歌劇みたいに」
「部長さんが好きな、そうなったら」
「その時は」
「ピンカートン中尉殺されてるかもね」
 真顔での返事だった。
「それこそ」
「自殺するんじゃなくて」
「そう、あんなことされたら」
 それこそというのだ。
「夫婦喧嘩になって」
「ブスリなんだ」
「あそこで泣き寝入りする女の人少ないから」
 ベトナムではというのだ。
「多分女の人の強さ太平洋一よ」
「率先して戦う位だから」
「十歳の女の子がお家のおトイレから戦車にバズーカ撃つとか」
「十歳でそれじゃあ」 
 流石にこれは驚いた、子供がこんなのだとそりゃ大人になると豹みたいに強いのも当然かも知れない。
「とんでもないね」
「そんなお国だから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「女の人強いんだね」
「ミス=サイゴンってミュージカルあったわね」
「あれそのまま蝶々夫人が原型だよ」
「そうよね、ストーリーをざっと聞いたけれど」
 それでもというのだ。
「ああしたこともね」
「実際のベトナムではないんだ」
「そうよ、ちなみに女の人同士で喧嘩をしたら」
 その場合はというと。
「壮絶だから」
「女の人同士のことは凄いけれどね」
「義和も知ってるのね」
「結構見てきたから」
 クラスとかでだ、残念だけれどそれも見てきた。
「その場面も」
「そうなのね」
「女の子の間のいじめも聞くし」
「ああ、日本の」
「あれは陰湿極まりないし」
 それにだ。
「もう残酷さもね」
「凄いのね」
「僕が思うに女の子が相手を敵と思って自分に絶対の正義があると思った時が」
 僕はこの学園でこの目で見て来たことを思い出した、ある今は幸せに過ごしている先輩がそう思った人に攻撃された話だ。遠井希望さんという人の話だ。
「一番残酷になるんだよ」
「よくわかってるじゃない」
「その通りだよね」
「このことはどの国でも変わらないみたいね」
「女の人の怖い面だね」
「女の怖さってね」
 それはとだ、ダオさんは僕に話してくれた。
「それよ」
「敵には陰湿極まりなくて」
「残酷さもね」
 これもというのだ。
「本当に自分に絶対の正義があると思ったら」
「凄くなるね」
「しかもヒステリーも」
 これもというのだ。 
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