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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十二話 ふわふわ卵その十一

「西郷さんは戦ったんだ」
「そうだったのね」
「大久保さんも担がれたら覚悟を決める西郷さんの性格はわかっていたから」
「大久保さんも覚悟を決めて」
「軍を送ってね」
「西郷さんを討たせたのね」
「断腸の思いだったらしいよ」
 大久保さんとしてもだ。
「それでもね」
「叛乱だから」
「そう、政府としては抑えるしかなくて」
 それでだったのだ。
「戦争になって」
「そのうえで」
「そう、西郷さんは最後足を撃ち抜かれて」
 激しい戦いの末にだ。
「切腹したんだ」
「それで西南戦争も終わったのね」
「そして明治維新もね」
 これ自体もだ。
「終わったんだ、そして大久保さんも」
「暗殺されたのね」
「その前に予告状来たんだ」
 斬奸状という名前でだ。
「だから危なかったけれど」
「用心しなかったの」
「西郷さんも大久保さんも自分の命については」
「軽く見ていたの」
「死ぬ時は死ぬっていう」
「武士道だったの」
「薩摩武士の考えみたいだね」
 常に戦のことを意識していただ。
「だからね」
「大久保さんもなの」
「そういうの事前に来て」
 それでだったのだ。
「危なかったけれど」
「用心していなかったのね」
「馬車に護衛もね」
 明らかに狙われていたのにだ。
「つけないでね」
「暗殺されたのね」
「その予告状を周りに平気で見せていたらしいんだ」
 自分のところにこんなものが来たと手に持って見せていたらしい、豪胆と言えばあまりにも豪胆だ。
「それで平気でいたら」
「殺されたのね」
「西郷さんの後を追う形でね」
「悲しいわね」
「せめて天国では和解して欲しいね」
 僕個人の願いだ。
「それで子供の時、維新の時みたいに」
「一緒になのね」
「楽しくいて欲しいね」
「そう思うのね」
「うん、どうせだから」
 本当にだ。
「もうね」
「幸せに過ごしていて欲しいのね」
「うん、さもないと」
 本当にだ。
「悲し過ぎるからな」
「親友同士が敵同士のままだったら」
「幕末の中の友情も多いけれどね」
 坂本龍馬と武市半平太、中岡慎太郎、岡田以蔵に吉田松陰の松下村塾の人達のそれにだ。新選組でもあった。
「その中でも西郷さんと大久保さんは」
「強い絆で」
「それでね」
 そうであるからこそだ。
「天国ではね」
「仲良くして欲しいのね」
「そう思うよ、僕二人共好きだから」
 そうだからこそだ。 
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