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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十二話 ふわふわ卵その二

「それで調理の仕方もね」
「楽だよね」
「凄くね、けれど」
「昔はご馳走だったんだよ」
「お殿様が食べるものだったのね」
「かき氷と同じでね」
「あっ、氷も」
 ラブポーンさんはこのことにも気付いた。
「そういえば」
「うん、昔は簡単に作られなかったからね」
「お水冷やしてね」
「冬の間に氷を作っておいて」
 それか手に入れてだ」
「そしてね」
「夏まで保存しておくのね」
「その為のお部屋にね」
 氷室と言われた、まさに氷の部屋ということだ。
「置いておいて」
「夏に食べる様にしたの」
「そうだったんだ」
「そしてそれはだったのね」
「殿様が食べるものでね」
「贅沢なものだったのね」
「そうだったんだよね」
 伊達政宗が将軍徳川家光に献上したという話が残っている、将軍に献上する程のものだったということだ。
「これが」
「そこまでのものだったのね」
「今じゃね」
 それこそだ。
「すぐに作れてね」
「安いわね」
「もう原価なんか」
 かき氷のそれはだ。
「何でもないけれどね」
「お水凍らせて砕いてね」
「それでシロップをかけてね」
「そんなのだから」
「原価は何でもないわね」
「この文化祭でも売っている部活あったけれど」
 確か漫才部だった。
「原価はそんなので」
「コストパフォーマンスはいいのね」
「うん、しかも結構売れてたし」 
 漫才部のそれもだ。
「一つ百円でもね」
「割合がいいのね」
「商品としてのそれはね」
「そんなものなのね」
「今じゃね」
「時代は変わったってことね」
「そうだよ、簡単に作られる様になったから」
 その氷がだ。
「それこそ誰でもね」
「作られる様になって」
「それでね」
「凄く安くなって」
「誰でも食べられる様になって」
「ふわふわ卵も」
「これもね」
 今僕が手に取っているこれもだ。
「安く食べられるんだ」
「そうなのね、ただ」
「ただ?」
「売れ残ったから」
「そのことはだね」
「宣伝の仕方間違えたかしら」
 ラブポーンさんはどうかというお顔になってこうも言った。
「料理部の方で」
「近藤勇さんの好物って宣伝したんだね」
「ええ、そうしたけれど」
「近藤さんも人気あるけれどね」
 伊達に新選組の局長だった訳じゃない、大河ドラマの主人公にもなっているし水木しげる先生の漫画にもなっている。 
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