八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十二話 ふわふわ卵その一
第二百五十二話 ふわふわ卵
僕はラブポーンさんに案内してもらって料理部の部室に入った、するとすぐにラブポーンさんからふわふわ卵を出してもらった。
そのふわふわ卵を出してラブポーンさんはこうも言った。
「逆に言うのが正しいかもってね」
「料理部で話してるんだ」
「ふわふわ卵じゃなくて」
「卵ふわふわだね」
「卵じゃなくて玉子?」
「何か日本語ってそこがだよね」
「難しいわね、ただね」
ラブポーンさんはここでこうも言った。
「食材も作り方もね」
「確か簡単だったね」
「まずは卵と」
卵とお料理の名前にあるだけにだ。
「鰹だしとお醤油、お塩で」
「四つだけだね」
「それでね」
ラブポーンさんは僕にさらに話してくれた。
「卵の黄身と白身を分けて白身をボウルの中で泡立てて」
「そうしてだね」
「泡立ったら黄身を入れて混ぜて」
そうしてというのだ。
「お醤油で味付けしてすまし汁とお塩を入れて火にかけて煮立ったら」
「それからは」
「そこに泡立てた主役を入れてね」
「卵をだね」
「蓋をして火を止めたら」
「出来上がりだね」
「簡単なお料理よね、しかもね」
ラブポーンさんはこうも言った。
「安いわよ」
「どの食材も安いからね」
「そうよね」
「今はね」
「今は、ってなるのね」
「江戸時代卵は高かったから」
これは終戦から暫くそうだったらしい、高度成長期まで卵は高級なものでご馳走だったと僕は聴いている。
「だからね」
「高級料理だったのね」
「近藤さんは最初は農民のお家の人だったけれど」
「新選組に入って」
「何か入ってから食べて」
それでという。
「気に入ったらしくて」
「よく食べていたのね」
「そうみたいだよ」
「そうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「高級料理を食べられたのは」
当時高価だった卵を使ったお料理をだ。
「殿様みたいな立場だったからね」
「新選組の局長さんは」
「旗本でも結構な」
近藤さん自身はそう考えていたらしい、それで新選組の中でも尊大だったと言う人もいたとのことだ。
「そんな立場でね」
「ご馳走も食べていたの」
「卵料理をね」
「そうだったのね」
「本当に当時卵は高級食材だったから」
この辺り今とは違う。
「だからね」
「そこはなのね」
「そう、それで今はふわふわ卵もね」
「普通のお料理よ」
「安いよね」
「本当にね、安くついたわ」
実際にというのだ。
「むしろアンパンよりも」
「そうだよね」
「だってお塩とお醤油と鰹節にね」
「卵で」
「正直物凄く安いわよ」
今はというのだ。
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