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夢幻水滸伝

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第百十六話 荒ぶる善その十一

「研究室を離れたらな」
「そうした人なんだね」
「あれでな」
 こう麻友に話した。
「だから安心しなよ」
「仲間になった時はだね」
「あくまで研究とか発明があれでな」
「人としたらいい人なんだね」
「そうさ、まあそれはここでわかるからな」
 平城京でというのだ。
「よく見ておけよ」
「そうさせてもらうね、あとあたし今度の宴の料理番になったんだよ」
 麻友はここで自分のことを話した。
「その女帝さんと雷帝さんを迎えてのね」
「綾乃ちゃん達もおもてなしだな」
「そのうちの一つでね。しゃぶしゃぶやるらしいけれど」
「しゃぶしゃぶだとそんなに出番ねえだろ」
「いやいや、お肉と野菜切って」
 そしてとだ、麻友は幸田に答えて話した。
「しゃぶしゃぶ以外のお料理も出すしね」
「しゃぶしゃぶの前にか」
「懐石料理みたいね」
「だから麻友っちが料理やるんだな」
「そうだよ、それで吉君はその時はどうするんだい?」
「こっちの世界じゃはじめてだけれどな」
 こう前置きしてだ、幸田は麻友に答えた。
「難波の奴と飲むつもりでい」
「その時はだね」
「ああ、そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「楽しむつもりだよ」
「自転車部の部長副部長でだね」
「おうよ、あいつとは起きた世界じゃよく一緒にいるけどな」
 それでもとだ、幸田はここで少し微妙な顔になって言った。
「こっちの世界じゃあいつはロシアに行っただろ」
「中里さんが言うにはあっちの方が面白いって言ってね」
 中里は山陰平定の時に彼と会っている、その時のことを他の星の者達に話したので麻友も知っているのだ。
「それでだよね」
「あっちに行ったからな」
「こっちの世界で飲むのははじめてだね」
「ああ、しかしあいつはな」
 幸田は難波についてこんなことも言った。
「普段は無口で大人しいけれどな」
「部活に入ったり戦になるとだね」
「別人になるからな」
「そこロシアの人みたいだよね」
「そうかもな、部活でもな」
 自転車部のそれでもというのだ。
「万能タイプで大会だと柱なんだよ」
「難波さんがどう走るかだね」
「ああ、基本おいらが作戦立てて運ぶ役だよ」
「難波さんがゴールするんだね」
「そうさ、あいつは作戦はタイプじゃないって言ってな」
「吉君に任せてるんだね」
「それでな、それで呂布が好きなんだよ」
 三国志の登場人物では、というのだ。
「あとビリー=ザ=キッドと石川五右衛門な」
「普通の人いないね」
「そうした一風変わったところもあるしな」
 それでというのだ。
「中々面白い奴だよ」
「悪い人じゃないんだね」
「色々変わっててもな」
「それでその難波さんと」
「一緒に飲むつもりさ、約束もしたしな」
「それでだね」
「今から楽しみでい、刺身に天婦羅に」 
 幸田は今度は肴の話をした。 
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