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八条学園騒動記

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第五百四十二話 朝早くだったのでその七

「ないものじゃ、自身のポリシーや美学には従うが」
「モラルとか倫理とか法律は、ですね」
「無視するのじゃ」
「それがマッドサイエンティストですね」
「だからわしは開発、製造するとじゃ」
 薬物なり兵器なりをというのだ。
「必ず実験をするのじゃ」
「その辺りのチンピラで」
「連合全体でもかなりおる」
 ヤクザ者やチーマー、暴走族といった者達もというのだ。実際に博士はそうした者達を連合全土で殺している。
「だからな」
「もうそういう手合いを捕まえて」
「そうしてじゃ」
「実験に使われますか」
「ついでに言うと嫌いな存在を始末する」
 まるでゴミ掃除をする様に言った言葉だった。
「そうした意味もある」
「掃除でもありますか」
「そうじゃ、わしは奇麗好きでもあるな」
「そういえばお掃除も欠かさないですね」
「毎日な、そうしてな」
「奇麗にされていますね」
「それで街のゴミもじゃ」
 そう呼ばれる者達もというのだ。
「掃除する意味でもな」
「実験に使うんですね」
「そういうことじゃ、ではな」
「完成したらテストで」
「毒ガスを暴力団の事務所の中に撒布し」
 そしてというのだ。
「液体をちと首筋に垂らすなりこっそり飲ませてな」
「殺しますか」
「そうしてみる、どの様にして死んでゆくか」
 実験に使われた者達がというのだ。
「楽しみじゃ」
「というか博士ってな」
 ライゾウはここまで聞いて博士に言った。
「本当に人殺すの好きだよな」
「うむ、趣味であるからな」
「だから好きなんだな」
「わしの生きがいの一つじゃ」
 殺人、それはというのだ。
「わし自身で殺すことも多いしのう」
「前捕まえた暴走族に高圧電流流したよな」
「電気鞭でな」
 博士の武器の一つだ、一億ボルトの高圧電流が流れる。
「そうして三人程殺したのう」
「そうだったよな」
「あの、何でもない風に言うけれど」
 タロも博士に言ってきた。
「三人殺したらね」
「凶悪犯じゃな」
「もう紛れもなくね、一人でもね」
 この時点でというのだ。
「立派なね」
「凶悪犯罪じゃな」
「しかも遊んで殺すとか」
 そうしたことをすればというのだ、
「立派な快楽殺人で」
「普通死刑ですよ」
 野上君も博士に話した。
「絶対に」
「ああ、死刑か」
「博士には意味ないですが」
「うむ、実際にわしはな」
 どうかとだ、博士も野上君に答えた。
「数えきれないだけ死刑判決を受けておる」
「大抵の国の政府から言われてますよね」
「これまで幾度となくな」
「そうですよね」
「しかしじゃ」
「一度も死刑になってないですね」
「捕まったこともない、尚裁判に出席したこともな」
 このこともというのだ。
「ない」
「欠席裁判ですね」
「それでいつも言われてきた」
「欠席裁判はよくないですが」
 被告人がその場におらずして裁判なし、野上君は近代国家において定められてていると言っていいこのことから話した。 
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