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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第15話『人の悪意はなぜ消えないのか』

「雅国家象徴、『仮面ライダードライブ』の世界に到着しましたか?」
「はい。」
「それで、実はもう一つ、世界の崩壊の危機に瀕している世界があるの。」
「どこですか?」
「それは『仮面ライダーアマゾンズ』の世界です。」
「アマゾンズの世界か…解りました。こちらの事件を解決し次第、すぐ向かいます。」
雅はリンディと連絡を取り、久留間運転免許試験場に向かう。

雅がリンディと会話をしている頃、仮面ライダードライブに変身する泊進ノ介は危機に瀕していた。
「仁良光秀!何のつもりだ!」
進ノ介が所属している『特殊状況下事件捜査課』、通称特状課の事務室に進ノ介がたどり着くと、この世界の怪人、ロイミュードと結託して仮面ライダー、ひいては泊進ノ介とその父親の名前を地に堕とそうと画策している悪徳刑事、仁良光秀がいた。
「よく来たな、泊進ノ介。今、丁度緊急ニュースをやっている。その情報を見るか?」
仁良は特状課のテレビをつける。
『緊急ニュースです。警視庁特殊状況下事件捜査課の刑事で仮面ライダードライブの泊進ノ介容疑者は現在、仁良光秀 警視庁捜査一課課長を人質にしてこの久留間運転免許試験場に立て籠もっております!』
「どうだ?今のお前は正義のヒーローではなくただの犯罪者だ!ぎゃはははは!」
仁良は大口開けて笑いながら言う。
「仁良光秀、あんたに刑事としての誇りは無いのか!」
進ノ介は仁良に話しかける。
「お前も父親と同じことを言うんだな。なら教えてやるよ!刑事としての誇りだ?正義感だ?そんなもの、端っからありましぇ~~~ん!」
仁良は進ノ介の言葉を馬鹿にするように答える。
「いいか?人間ってのはな、自分の欲望のためならな、いとも簡単に怪物になれるのさ!」
仁良は爆笑しながら言う。
「いいか?そしてお前はこれから俺に正当防衛で撃たれて終わる。刑事でありながら刑事を人質にした犯罪者としてな!」
仁良は進ノ介に銃口を向ける。
「ッン゙!?」
すると、進ノ介は笑いを堪えるような仕草をみせる。
「おいおい、どうした?」
「いや、後悔しているのさ。もし、次元を越えられるなら、あの時の俺を救ってやりたいってな。」
「それは残念だったな!」
仁良は構わず進ノ介を撃ち抜く。その音は外にいたニュースキャスターや野次馬達にも聞こえた。
「あばよ、泊進ノ介。」
仁良は立ち去る。そして、
「ここから出て行きましたよ。」
雅が倒れている進ノ介に言う。
「君は?」
「僕は凪風雅。別の世界から来ました、仮面ライダーディロードです。」
「それじゃあ、神様が言っていた仮面ライダーは君のことか。」
「神様?もしかして紘太さんのことですか?」
「えっ?神様ってそんな名前だったの!?さて、これで証拠は手に入った。」
進ノ介は立ち上がり、仁良は置いていった拳銃を袋に入れる。
「それではこちらも。」
雅はバインドで動きを止めた弾丸を袋に入れて進ノ介に渡す。
「それにしても、笑っている理由がバレたらどうするつもりだったんですか?」
「仕方ないだろ。あんなふざけた動画を送られたら。あれは笑う方が無理だって。」
「確かにそうですけど。とにかく、まずは証拠を固めましょう。こちらの方で、一連の会話は録音しておきました。」
「ありがとう。」
「それでは、外を出歩くと怪しまれます。僕の方でワープを行いますので、一緒に行きましょう。」
「ああ!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使い、進ノ介と共に科捜研に向かった。

「霧子、本願寺さん、みんな!?」
「泊さん、無事でよかった!」
「ありがとね、凪風君。」
進ノ介は集まっていた特状課のメンバーに驚き、進ノ介の相棒の詩島霧子は喜び、特状課の課長、本願寺純は雅に礼を言う。
「それで、なんでみんながここに?」
「実は、凪風君に進ノ介ちゃんのピンチを教えて貰ってね。あらかじめここで待機して進ノ介ちゃんに証拠を持ってきてもらう算段を立てていたの。」
「そうですか。では、早速これを渡してきます。」
進ノ介は研究員に証拠の拳銃と弾丸を渡してくる。
「いや、本当に助かったよ。」
「いえいえ。この世界の改竄を防ぐことが僕の使命ですから。」
「世界の改竄?何ですか?」
本願寺と雅の会話に霧子は疑問を持ち、雅に質問する。
「この世界は本来なら仁良とブレンロイミュードの策略を破ることが正しい歴史なのですが、どうも2019年になって、様々な仮面ライダーの歴史に歪みが生まれ、この世界では正しい歴史が改竄され、『泊刑事が仁良の弾丸によって銃殺され、ブレンロイミュードに仮面ライダーマッハとチェイサーが敗れる』という歴史になってしまう危機に瀕していました。ですが、これで第一の危機は去りました。後はブレンを倒せば、問題は解決します。」
雅は説明をする。
「なるほどね。あなた、多次元世界から来た仮面ライダーなのね。」
雅の説明を聞き、特状課の研究員、沢神りんなが興味を示す。
「はい、僕の世界は現在複数の世界の文化が融合した独自の世界で、僕はそこで国家象徴をやらせてもらっています。」
雅はりんなに説明をする。
「教えてくれてありがとう。とにかく、もうそろそろ結果が出ると思うわ。」
雅とりんなは話を終わらせ、12年前に起きた泊英介殺害事件の銃弾と進ノ介を撃った銃弾の一致を確認すると、雅と特状課は警視庁へ向かった。

その頃、警視庁ではブレンロイミュードが擬態した姿であるエンジニア、能見壮が仁良と共に会見を開いていた。
「この度は、大変残念なお知らせがあります。まずは、仮面ライダードライブこと泊進ノ介が少女一人を誘拐し、私を人質にして立て籠もりを起こした事件につきまして、同じ刑事として、大変残念に思います。」
仁良は泣きながら言う。
「泊進ノ介は、私を人質にし、機械生命体ロイミュードと共謀し、人々を恐怖に陥れようとしていました。私は人質となり、度重なる説得を試みましたが、彼は最後まで抵抗し、あろうことは私に銃口を向けました!そして、私は咄嗟に彼の腕を狙いましたが犯人は動き、心臓を貫いて、亡くなりました。惜しむらくは、あのような極悪犯を逮捕させ、罪を償わせることができなかったことです。」
仁良は更に泣きながら言う。
「それで、犯人が誘拐していた少女は?」
ジャーナリストの一人が質問をする。
「その少女は、犯人によって毒殺されておりました。」
能見は答える。すると、
「そいつは大嘘だな!」
そこに進ノ介と雅、更に特状課の一同と仮面ライダーマッハに変身する詩島剛、仮面ライダーチェイサーに変身する正義のロイミュード、チェイスが現れる。
「泊進ノ介だ!?」
ジャーナリスト達は驚く。
「馬鹿な!お前は確かに殺したはず!?」
仁良は思わず口走る。
「こら、言ってはダメでしょう。」
能見は呆れるように言う。
「仁良光秀、俺はあの時言ったはずだ。次元を越えられたらと。それに気づいてくれたディメンションキャブが俺の心臓に飛んでくる銃弾を別の場所に飛ばした!」
「そして、その弾丸は僕は受け止め、すぐに診断してもらった。あなたが言ったように、確かにこれは12年前に泊刑事の父親を銃殺したものと同じもので、使われた拳銃にはしっかりとあなたの指紋がついていました。それ以外にも、特状課での会話は録音させてもらっている!」
進ノ介の言葉に雅は付け足し、レコーダーを起動させる。
『仁良光秀、あんたに刑事としての誇りは無いのか!』
『お前も父親と同じことを言うんだな。なら教えてやるよ!刑事としての誇りだ?正義感だ?そんなもの、端っからありましぇ~~~ん!』
『いいか?人間ってのはな、自分の欲望のためならな、いとも簡単に怪物になれるのさ!』
『いいか?そしてお前はこれから俺に正当防衛で撃たれて終わる。刑事でありながら刑事を人質にした犯罪者としてな!』
雅はレコーダーの音声を流し終える。
「録音されていたとは!?」
仁良は驚く。
「だが、お前達が連れて言った少女はどうした!見殺しにしたと言うのですか!」
能見は言う。すると、
「私は無事です!」
ブレンロイミュードによって毒を注入されていた少女、ゆかりが現れる。
「馬鹿な!彼女は私の毒で死んだはず!?」
「お前も言うなよ。」
今度は能見が驚いて口走り、仁良が呆れるように言う。
「あのタイミングでこんな映像を見せられれば誰だって笑いを堪えるのは大変だよ。おかげで誤魔化すのに時間がかかった。」
進ノ介は仁良との会話の時に見えていた映像を再生する。そこには剛とチェイス、そしてゆかりが満面の笑みで手を振りながら様々なテロップが流れていた。
「更に言えば、そこに言う能見壮という男の正体はロイミュードの幹部、ブレン!仁良光秀と共謀した目的は仮面ライダーの信用を貶める為だ!」
進ノ介はジャーナリスト達の前で能見の正体を暴露する。
「どうする、ブレン?」
「仕方がない。融合しますよ!」
能見はロイミュードの肉体を形成するバイラルコアを取り出し、赤いバイラルコアを仁良に渡して融合し、仁良はブレンロイミュードに変身する。
「うわー!出た!」
ジャーナリスト達は驚く。
「くらいなさい!」
ブレンロイミュードは毒を放つ。しかし、
「サークルバリア!」
雅はジャーナリスト達の前に立ち、バリアを展開してその毒を防ぐ。
「皆さん、逃げてください!」
雅はジャーナリスト達を避難させる。
「仁良光秀、それにブレン!お前達はここで決着を着けさせてもらう!剛、チェイス、それから雅君!行くぞ!」
「オッケー!」
「平和を守る達に戦うことが、俺達仮面ライダーの使命だ。」
「助力させていただきます!」
《行こう!Start your engine!》
ドライブドライバーの人工知能、クリムは気合いを込めて言う。
《シグナルバイク!シフトカー!》
《シグナルバイク!》
剛をチェイスはマッハドライバー炎に変身用のアイテムをセットする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
“(レッツ)変身!”
《ドラァイブ!タ~イプトライドロン!》
進ノ介は仮面ライダードライブ タイプトライドロンに、剛は仮面ライダーデッドヒートマッハに、チェイスは仮面ライダーチェイサーに、雅はディロードに変身する。
「ひとっ走り付き合えよ!」
ドライブ達とブレンロイミュードを掴んで外に出る。
「まさか私の策を突破するとは!だが、これならどうです!」
ブレンロイミュードは仁良を排出し、超進化体も進化する。
「ブレン、何のつもりだ!」
「あなたは私が超進化する為のいい手駒でした。ですが、もう用済みです!」
ブレンロイミュードは笑いながら毒の触手を放つ。
「ブレン!お前の魂胆は読めていた!だから俺は既に別のロイミュードと契約していた!」
仁良は別の赤いバイラルコアを使い、ロイミュード041と融合し、シーフロイミュードに変身する。
「馬鹿な!?」
ブレンロイミュードは驚く。
「泊刑事、あちらは僕に任せて下さい!」
ディロードはブレンロイミュードとの戦闘から外れ、シーフロイミュードと1対1に持ち込む。
「あっちは任せよう!俺達はブレンをやるぞ!」
ドライブ達は引き続きブレンロイミュードと戦闘を行う。
「おのれ、仮面ライダーめ!」
シーフロイミュードはがむしゃらに攻撃をするが、ディロードは華麗に避ける。
「久しぶりに使うか。」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
【FORM RIDE-DELOAD SONIC-】
ディロードはロードスラスターにソニックをスキャンして、ディロード ソニックフォームに変身し、高速移動でシーフロイミュードを翻弄しながらロードスラスターで切り裂く。
「これで決める!」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
ディロードは二丁のロードスラスターをバルディッシュアサルトに変える。
「ハーケンスライサー デュアルインパクト!」
ディロードは二つのバルディッシュから魔力の刃を放ち、シーフロイミュードを攻撃する。
「ぐぁっ!」
シーフロイミュードは怯む。
「これで終わりだ!疾風迅雷、スプライトザンバー!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
ディロードはバルディッシュからそれぞれ斬撃を放ち、ロイミュード041のコアを破壊してシーフロイミュードを撃破し、仁良は無傷のまま倒れる。
「向こうは片付いたみたいだ。こっちも決めるぞ!」
《ヒッサ~ツ!フルスロットル!トライドロン!》
「オッケー!」
《ヒッサツ!バースト!フルスロットル!デッドヒート!》
「ああ!」
《ヒッサツ!フルスロットル!チェイサー!》
ドライブ達はジャンプし、ドライブのトライドロップ、デッドヒートマッハのキックヒートマッハー、チェイサーのチェイサーエンドによるトリプルライダーキックが放たれる。
「馬鹿め!これならどうですか!」
ブレンロイミュードは無数の毒の触手で攻撃するが、
「今だ!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER DRIVE-】
雅はドライブの世界のワールドホープを発動し、ドライブ達のキックはブレンロイミュードの毒を押し切り、ブレンロイミュードにそれぞれのキックが炸裂し、ブレンロイミュードは爆散。肉体を失い、コアだけになり泣きながら逃げて行った。
《オツカーレ…》
《Nice drive.》
進ノ介達は変身を解除し、仁良の所へ向かう。
「仁良光秀、15時32分、殺人容疑で逮捕!」
進ノ介は仁良に手錠をかける。
「仮面ライダーとロイミュード。どちらが勝つか、この目で見させてもらうぜ!ひっひっひっ!」
仁良は笑いながら言い残し、現場にいた警官達に連れられて行く。
「泊刑事、お仕事お疲れ様です。」
雅は言う。
「雅君は、これからどうするの?」
「そうですね。この世界の危機は去りましたので、すぐに別の世界に向かわないと行けません。」
「そうなると、俺達とはお別れか。」
剛は残念そうに言う。
「ですが、仮面ライダーの絆は不滅です。」
「絆は…不滅?」
チェイスは疑問を浮かべながら言う。
「はい。絆は、心がある限り、決して無くなることがありません。」
雅はチェイスに説明する。
「なるほど、俺と雅にも絆があるのか。」
チェイスは感心する。
「それでは、僕はそろそろ行きますので。」
雅は右手を出す。
「ああ、頑張れよ!」
進ノ介は雅と握手を交わす。
「んじゃ、俺も!」
剛も雅と握手をする。
「こういう時は、握手を交わすのが、人間のルールか。」
チェイスも雅と握手を交わす。
「それでは。お元気で。」
雅は一礼をして次元転送ポートを使って『仮面ライダーアマゾンズ』の世界に向かう。

「ここがアマゾンズの世界か…」
ドライブのソウルライドの発動を確認した雅は辺り一面に漂ってくる陰鬱な気配を感じ、身構える。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「俺は、イユと一緒に生きていたい!」
「溶源性細胞は危険だ。」
「マモルは、俺達の所に戻ってきたんだ!」
「ア~マ~ゾ~ン!」
「この世界は、どうやって救えばいいんだ!?」
次回『Zone of lost hope』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダードライブ(ワールドホープ):ドライブの世界のワールドホープ。熱き心でブレンの毒を退ける。 
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