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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十話 思わぬ再会からその十五

「だからね」
「悪いことはですか」
「していないからね」
「だからですか」
「悪い報いはね」
 これはだ。
「受けていないと言えるね」
「それは何よりですね」
「まあ浮気はね」
 結婚しているからだ。
「いつもだけれど」
「それは悪いことですね」
「けれどお袋もわかって結婚したそうだから」
 親父がとんでもない女好きだとだ。
「お袋は浮気しなかったけれど」
「それでもですね」
「親父はね」
 浮気についてはだ。
「いつもなのはね」
「事実ですね」
「そっちのことはね」
 正直否定出来なかった。
「実際のところ」
「そのことは困りものですね」
「親父の場合お酒と女の人は」
 それこそだ。
「息をするみたいにね」
「楽しむものですね」
「それと遊びはね」
 この三つはだ。
「そうした人だから」
「お酒と女の人も遊びですね」
「それと旅行とかもね」
 美食もそこに入っている。
「そうした遊びがね」
「義和さんのお父さんの息をする様なものですか」
「ギャンブルと麻薬は絶対にしないけれど」
 それでもだ。
「この三つはだよ」
「そうした人ですか」
「それで浮気もお袋は」
 今思うとだ。
「別に外で子供作らないからって」
「いいとですか」
「言っていたよ」
 このことを思い出しつつ何でそんなお袋が親父の浮気に愛想を尽かして家を出たという話になったのか、どうもおかしいと思った。
 けれどこのことは顔に出さず僕は円香さんに話した。
「そうね」
「それはまた」
「あんな破天荒な親父と結婚する位だから」
 一族の人の殆どがどうして結婚させようか本気で悩んでいたらしい、こんな遊び人と誰が一緒になるのかと思って。
「お袋も肝が座っていたんだ」
「左様ですか」
「あれでね、けれど円香さんの相手の人は」
「女の人は私一人とです」
「言っているんだ」
「私はそれで充分です」
 僕ににこりと笑って答えてくれた。
「女の人は私一人なら」
「引っ掛かる言葉だね」
「私は相手の人がどんな男の人を愛してもいいんだ」
「男の人は男の人なので」
「そうしたものかな」
「女の人ならともかくですが。私にしても」
 円香さんは僕に真剣な顔で話した。
「男の人はあの人だけです」
「というと」
「今は興味はないですが」
「浮気をするならなんだ」
「女の人とは別の恋愛ですよね」
「そうなるのかな」
 僕は円香さんの返事を聞いて首を傾げさせた、異性愛と同性愛は全く違うものだという円香さんのその考えについて。
「果たして」
「違いますか」
「そう言われたらどうなのかな」
 このことについて今は答えが出なかった、それで僕はそろそろクラスに戻る時間になったので円香さんと別れた。そうしてクラスに戻った。


第二百五十話   完


               2019・9・1 
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