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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十九話 合気道をしてもその十三

「それでね」
「人の縁は神様のもの」
「うん、自分で思っていても」
 縁がないとだ。
「その実はね」
「違うものですね」
「そうだよ、だから円香さんがそう思っていたことも」
 その実はだ。
「違っていたんだよ」
「そうだったのですね」
「それでね」
「私もですか」
「そうした人と巡り合わせてもらったんだ」
 神様にだ。
「そうなったんだよ」
「神様ですね」
「世の中人間だけで全部出来るか」
 僕がいつも考えていることだ。
「果たして」
「それは」
「違うよね」
「何かがありますね」
 円香さんもこう言った。
「やっぱり」
「うん、この世にはね」
「神様がおられて」
「それでね」
 そのうえでだ。
「人と人の出会いもね」
「導いてくれていますか」
「そうしたものみたいだよ」
 僕は円香さんにさらに話した。
「神様が色々と動いてくれて」
「私とあの人とですか」
「導いてくれて」
 そうしてだ。
「交際までね」
「導いてくれましたか」
「うん、ただね」
「ただ?」
「これが悪い出会いだったら」 
 いい出会いばかりとは限らない、悪い場合もある。僕は円香さんに対してこのことについても話した。
「何があっても避ける」
「出会っても」
「うん、その時はね」
 まさにだ。
「さっき話したみたいな碌でもない奴とはね」
「関わってはいけないですね」
「そいつが自分に好意的でも」
 例えそうでもだ。
「これが国家と国家なら別だけれど」
「政治は」
「そう、政治はね」
 そちらはだ。
「国益だから。けれど」
「人と人ですと」
「変わった人と付き合うのもいいけれど」
「その人の人間性の問題で」
「人間性がとことん悪い奴なら」
 それならだ。
「そいつが好意的でも」
「魂胆がありますか」
「さっき話した奴がそうだったんだよ」
 まさにだった。
「何しろ自分の嫌いな奴の悪いことを喧嘩っぱやい奴に色々吹き込んでいたから」
「それでその人に殴られる様にですか」
「仕向けていたから」
「卑劣ですね」
「うん、それで殴る方も悪いけれど」
 吹き込まれた結果だ。
「この場合一番悪い奴はね」
「吹き込む人ですね」
「自分は傷付かないでね」
 そのうえでだ。
「相手を痛めつけられるから」
「そんな風にも利用されるので」
「だからね」
 それでだ。
 
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