夢幻水滸伝
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第百十三話 神星同士の会合その八
「まとまってきてるわね」
「そうよね、そっちはね」
「かなり時間をかけただけにな」
「一回でも負けた勢力はそこで脱落」
「そうなってるな」
「そう、争うのはあたい達中南米とアフリカの連合と」
アレンカールはまずは自分達のこの勢力から話した。
「南洋、中国、アメリカとね」
「私達地下世界とね」
「我が北極の上の浮島群や」
「そして日本、後はカナダ、台湾、香港、マカオ、韓国、マダガスカルとあって」
「今言ったので日本以外は覇権争いに参加せんから」
「今は置いてええで」
「そう、それであんた達もそれぞれの勢力の棟梁だけれど」
覇権を争う、とだ。アレンカールはまた言った。
「今夜の宴には来ないので」
「今言った理由でな」
「そうさせてもらうわ」
「わかったわ、じゃあ行って来るわね」
アレンカールはカレーを食べながら二人に応えた、そうしてその夜に彼は実際に平城京の御所に来た。そこでだった。
神星の十人が一堂に会してそのうえで鴨鍋を食べはじめた、勿論酒もある。
その酒も楽しみつつだ、綾乃は宴の主として他の九人に言った。
「今夜はこうしてな」
「神星同士で」
「飲んで食べて」
シェリルに笑顔で応えて述べた。
「そうしてね」
「楽しむのね」
「そうしよな」
「そうね、こうして十人で飲むのは十日ぶりね」
「暫く振りやね」
「ここに来て夜は毎日飲んで食べてるけれど」
それでもとだ、シェリルも飲みつつ応えた。綾乃程ではないがシェリルもまた結構な勢いで飲んでいる。
「この十人が集まっては」
「十日ぶりやし」
「暫く振りということでやね」
「楽しもな」
「いいわね、けれど」
ここでだ、シェリルは綾乃から視線を外してだった。
一同、他の八人を見てこんなことを言った。
「皆相変わらずね」
「楽しく飲んで食べているか」
「今は敵同士だというのに」
「敵同士でも戦の後は仲間になるからな」
リーがシェリルに応えた、鴨肉が実に美味くその味も楽しんでいる。
「親睦を深めてもだ」
「悪くないということね」
「我々以外の星の者達もそうしている」
「皆が」
「なら彼等を率いる我々もだ」
「親睦を深めていいわね」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「こうして共に飲んで食べることもな」
「いいということね」
「今の時点でな」
敵同士でもというのだ。
「それでいいと私は思うが」
「そういう理屈ね」
「悪い理屈ではないと思うが」
「ええ、悪いとは思わないわ」
シェリルにしてもだ、彼女は微笑んで答えた。
「別にね」
「では今宵もな」
「飲んで食べて」
「そして楽しもう」
「そうすべきね」
「とりあえず堅苦しいことは今は抜きや」
芥川も飲みつつ言った。
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