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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十八話 剣道家その五

「最初に酷い振られ方をしたら」
「それで終わりだな」
「精々二回目かな」
 一回目で気付かなくてもだ。
「そこでね」
「もう冷めるな」
「そうなると思うよ」
「意地の悪い女ならか」
「一緒にいて性根が悪い人だと」
 それこそだ。
「もうそこから嫌いになるから」
「外見のことではないな」
「結局人間内面だよ」
「その通りだな」
「それが悪いと」
 本当にだ。
「今言ったけれどね」
「そこから嫌いになるな」
「顔やスタイルはどうでもよくなって」
 そのうえでだ。
「何もかもが嫌いになるから」
「その通りだな、しかし彼の想いにだ」
「留美さんとしては」
「応えないとな」
 留美さんの言葉は義務感が入ったものだった。
「ならないとな」
「そうすることが礼儀かな」
「そうだ」
 そう思うからだというのだ。
「私もだ」
「それに応える為に」
「私も頑張らないとな」
「そうだね、じゃあね」
「これからも頑張っていく」
「その彼に応える為に」
「是非な」
 こう僕に話してくれた。
「これからもな、だが」
「だが?」
「私は精進を続けるが」
 それでもという言葉だった。
「応えられないかも知れない」
「その彼の想いに」
「そう思うとな」 
 それがというのだ。
「怖いな」
「難しいことだね」
「相手の想いに応えることはな」
「そうだよね、期待されてもね」
「それに応えられないとな」
「それだけで辛いしね」
「申し訳なく思いな」
 こう僕に答えてくれた。
「そうなるな」
「そうだよね」
「私もそれは同じだ、それでだ」
「彼氏さんの想いにだね」
「応えたい、だから精進するが」
「それでも想いに応えられるか」
「応えられないならな」
 それならとだ、留美さんの言葉は厳しいものだった。
「怖い」
「そう思うんだね」
「心からな、だが」
「だが?」
「そう思ってもだ」
 それでもというのだ。
「私は全力で精進していきたい」
「想いに応える為に」
「まずは他の男に心を動かさない」
 それが大事だと言うのだった。
「何といってもな」
「浮気はしないんだね」
「そうだ、浮気は何があってもだ」
 それこそと言うのだった。 
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