夢幻水滸伝
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第百十二話 海から運びその九
「わらわは十五人の母親になりたいけえ」
「十五人、ですか」
「ラグビーチーム作る位にな」
「それはまた」
「子供は沢山いてよいけえのう」
笑いながら言うのだった。
「それだけ産むけえ」
「それは幾ら何でも」
「わらわは本気じゃけえ」
「ですから本気でもそこはオブラートに包んで」
「そうしないといかんかのう」
「あからさま過ぎるので」
その言葉がというのだ。
「やはり」
「というか」
サンチェスも碧に言った。
「それが頭目の持ち味にしても」
「隠さないにも程があるので」
欧も碧に言う。
「やはりです」
「そこはご自覚下さい」
「美人が台無しですさかい」
「そこまで言うのなら自重するけえ」
碧も同志達に言われて答えた。
「わらわも」
「それで頼みます、それと」
アグノンはマミーのその目を酒で充血させていった。
「もう鍋の具ないですけれど」
「ほな今から」
それならとだ、ラザワウスナリンが応えた。
「ご飯かおうどん入れるか」
「そうするか」
「そして〆といくか」
「そやな、今から」
アグノンはラザワウスサリンの言葉に頷いてだ、一同の了承を得てから自分の前の鍋に白いご飯を入れた。そしてだった。
それぞれの鍋にご飯やうどんが入れられて食べられる、愛はその中の雑炊を食べつつ仲間達に言った。
「最後はこれやね」
「お鍋だとね」
「雑炊、それか」
「おうどんね」
「どっちかよね」
「それはね、本当にね」
小雪も雑炊を食べつつ愛に応えた。
「言えるわね」
「そうよね、温まるし」
「お鍋によるけれど」
「これがすき焼きだと」
愛はこの鍋についても話した。
「おうどん一択だけれどね」
「すき焼きはだしの味が濃過ぎてね」
「雑炊は無理だから」
その為にというのだ。
「おうどん一択よね」
「お餅は入れられるけれどね」
「基本そうよね」
「確かにね」
「すき焼きもええな」
モンゴメリはすき焼きの話にうどんを食べつつ応えた。
「確かに」
「そうでしょ、あのお鍋も」
「牛肉をああしてお鍋にするのは」
「美味しいわよね」
「僕的にはしゃぶしゃぶと並ぶな」
この鍋と共にというのだ。
「日本の牛肉のええ食べ方や」
「そうよね」
「両方共この平城京でも食べてるしな」
「起きた世界でもやね」
「寮で食べてる」
「そうでしょ、ただ寮だと」
愛は自分達が起きた世界のこちらの話もした。
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