夢幻水滸伝
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第百十二話 海から運びその七
「胸張って言えるわ」
「それはそやな、まあ今のこれも」92
ガルパンはここで一杯のみつつ述べた。
「美味しいけれどな」
「牡蠣鍋じゃけえ」
ガルパンにだ、碧が笑顔で応えた。
「まずい筈がないけえ」
「そうですよね」
「お酒にも合うけえ。あと」
自分も楽しく飲みつつだ、碧は話した。
「締めじゃが」
「雑炊よね」
「おうどんでしょ」
愛と小雪はそれぞれ言った。
「ここは」
「いや、雑炊よ」
「おうどんがよおない?」
「鍋が幾つかあるからどっちも出来るけど」
アグノンは二人が言い合いになったところで言った。
「それは」
「ああ、そやったら」
「それでええね」
二人もそれで納得した。
「ほなね」
「どっちもな」
「どっちも食べてええやろ」
こう言ったのはナツァグドルジだった。
「別に」
「食べられたらね」
愛はそのナツァグドルジにこう返した。
「ええで」
「そやな、ほなな」
「ナツァ君はどっちもやね」
「そのつもりや」
両方食べるつもりだというのだ、雑炊とうどんを。
「食べられるしな」
「そういえばナツァ君かなり食べるし」
「モンゴルの大平原におると」
彼の故郷だ、遊牧民の場所であることはよく知られている。
「その厳しい自然に勝つ為に」
「それでなんやね」
「食べることは大事でな」
「よおさん食べるんやね」
「そや」
こう言ってだ、ナツァグドルジは実際に今も食べている。
「この世界でも身体大きいしな」
「それでやね」
「そや、それでな」
「それで?」
「酒もや」
ナツァグドルジは言いつつさらに飲んだ。
「こうして飲むことや」
「酒もやな」
「そや、どんどんな」
言いつつまた飲んだ。
「楽しんでいこうな」
「そうだな、うどんは酒にも合うしな」
玲子も言いながら飲んでいる、顔がほんのりと赤くなり何処か色気も出している。
「いいな」
「玲子ちゃんはそっちなのね」
「雑炊も捨て難いが」
それでもというのだ。
「やはりな」
「今はやね」
「うどんがいいだろうか、そして最後の最後は」
さらに言うのだった。
「甘いものが欲しいが」
「柿があるみたいですよ」
デオリンダが言ってきた。
「あちらが」
「柿か」
「はい、あの果物が」
「あれは美味い」
柿と聞いてだ、玲子は無意識のうちに笑顔になって言った。
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