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ヘタリア大帝国

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TURN24 バトルオブエイリスその三

「だからある程度ならね」
「やってくれるか」
「ええ。じゃあ行きましょう」
「ではな。私達も出撃しよう」
「そうしましょう。ただ予備戦力がないのは」
「問題だな。この戦いの後で対策を講じよう」
 こう話しながらだ。レーティア達も出撃した。その彼女の出撃を見てだ。
 ドクツ軍の士気がさらにあがった。将兵達が騒ぐ。
「総統が来られたぞ!」
「自ら前線に出て来られたぞ!」
「諸君、このまま攻めるのだ!」
 そのレーティアが彼等に指示を出す。
「戦艦及び巡洋艦はこのままビーム攻撃を続けよ!」
「はっ!」
「わかりました!」
「高速機動艦隊は敵を撹乱し隙を見て攻撃を出せ!」
「了解です!」
「それでは!」
「そしてだ!」
 さらにだとだ。レーティアは指示を出していく。
「敵の総旗艦ビクトリアを狙え!」
「セーラ=ブリテンのその旗艦を」
「狙うのですか」
「そうだ、敵将の首を取れ!」
 レーティアはここではあえて古典的な表現を使ってみせた。
「あの艦だ、撃て!」
「目標ビクトリア!」
「あの艦を撃て!」
 すぐにだ。ドクツ軍は最前線で自ら砲撃を行うビクトリアに照準を合わせた。そのうえでだ。
 ビクトリアに無数のビームが襲い掛かる。何発かは外れた。 
 だが一撃が当たった。それを受けてだ。
 ビクトリア、女王の旗艦が大きく揺らぐ。その艦橋で。  
 セーラも指揮官の席、玉座から離れそうになる。しかしだった。 
 彼女は踏み止まった。そのうえで周りに問うた。
「損害は!?」
「左舷に直撃です!」
「中破です!」
「中破ですか」
 そう聞いてもだ。セーラは怯まなかった。そしてだ。
 気付けば頭をぶつけていた。それで血が流れていたがそれでもだ。
 周りにだ。こう命じたのだった。
「艦長、宜しいでしょうか」
「は、はい。何でしょうか」
「艦の応急処置を頼みます」
 まずは艦長に命じた。ビクトリアのことを。
 そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「まだです」
「まだ?」
「まだとは」
「ビクトリアはこのまま前線で戦います」
 毅然とした言葉だった。
「この程度で。下がることはしません」
「ですが陛下も傷を受けておられます」
「それでもですか」
「私の傷の手当てもお願いします」
 見れば右腕も負傷していた。しかしだった。
 その目は死んではいない。むしろ負傷によりさらに毅然となっていた。
 そして玉座に座ったままでだ。また言ったのだった。
「ビームは撃てますね」
「はい、大丈夫です」
「そちらの損害はありません」
「なら反撃です」
 ビクトリア自らだ。攻撃を繰り出すというのだ。
「いいですね、そうするのです」
「ではビクトリアはこのままですか」
「前線に留まりますか」
「そうです。退いてはなりません」
 後ろは見なかった。
「退けば終わりでは」
「ではこのまま」
「踏み止まり」
「そうです、戦います」
 反撃、それを行うというのだ。
「そうします」
「わかりました。それでは」
「ビクトリアはこのまま踏み止まります」
「ここで一歩でも退けば」
 どうなるか。セーラはよくわかっていた。前方と側方にはドクツ軍が展開している。
 
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