ヘタリア大帝国
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TURN24 バトルオブエイリスその二
「それをどうするかなのよ、問題は」
「確かにドクツは今は優勢ニダ」
韓国妹もこのことは認めた。しかしだった。
「けれど。何時ひっくり返る事態が起こっても不思議ではないニダ」
「ううむ、一体どうなるんだぜ」
韓国は他の国々の言葉を聞いて流石に楽観の針をいささか中央に戻さざるを得なかった。
「読めなくなってきたんだぜ」
「エルミーさんは絶対にドクツが勝つって言うでしょうね」
台湾はこう読んでいた。
「それに宇垣さんもね」
「あの人は何時戻るのかな」
「もう少しだと思うけれど。数日中ね」
「じゃあもうすぐだね」
「あの人もドクツの勝ちだって言うでしょうね」
ドクツを訪問してすっかりレーティアに魅せられた彼ならばだというのだ。
「確かに勝算はあるから」
「少なくともこの戦いでエイリスはかなり衰える的な?」
香港もこのことは間違いないと言う。
「そうなる的な」
「そのことは間違いないでしょうね」
「ああ、やっぱり的な」
「けれどその前によ」
台湾は真面目な顔になってこうも言った。
「私達が生き残らないとね」
「そうニダ。エイリスも気になるニダがウリ達ニダ」
韓国妹も言う。とりあえず彼等も今はエイリスの戦いを見守るだけだった。
ドクツ軍は確かに押していた。その戦局を見てだ。レーティアはこう言った。
「よし、このままだ」
「このまま押すのね」
「そうだ、マンシュタインはそのままビーム攻撃を続けろ」
こうマンシュタインの艦隊に指示を出す。
「そしてロンメルはだ」
「いつも通りなのね」
「機動戦だ」
グレシア、今も傍らにいる彼女に言う。
「それを仕掛ける様に伝える」
「この遠距離攻撃と機動力ね」
「その二つを活かすことがだ」
「ドクツの戦い方よね」
「どちらが欠けても駄目だ」
そうした意味でだ。まさに両輪だというのだ。
「だからこそだ」
「マンシュタイン元帥とロンメル元帥は不可欠ね」
「並の相手ならどちらかだけでいい」
「けれどね」
「エイリスが相手なら別だ」
「エイリスはね。やっぱりね」
「強い。尋常な相手ではない」
晴れた目での言葉だった。理解している何よりの証だ。
「だからこそだ」
「そういうことね。だからこそよね」
「それに我々には今は潜水艦もある」
「ベートーベン提督が頑張ってくれてるわ」
「先生はやってくれる」
レーティアはかつて彼女の教師だった彼のことも認めていた。
「特に潜水艦の指揮はだ」
「見事よね」
「先生もまた天才なのだ」
そうだというのだ。天才は天才を理解していた。
「だからこそだ」
「そういうことね。ただね」
「ただ、か」
「戦局は確かに有利だけれど」
「敵の援軍が来たな」
「敵も必死ね」
戦局を表しているモニターに新たな敵軍が見えていた。
「十個艦隊も出て来たわね」
「想定していた。しかしだ」
「しかし?」
「敵の援軍はあれで終わりだ」
そのだ。十個艦隊でだというのだ。
「ならここは予備戦力を投入する」
「私達が出るのね」
「グレシアは実戦経験はなかったな」
「それでもね。軍のことも勉強したわよ」
口元に自分の右の人差し指を当てて答えるのだった。
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