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八条学園騒動記

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第五百三十七話 歓楽街は素通りしその九

「それではな」
「普通の会社だとね」
「そんなことをしてばれたらじゃ」
 その時点でというのだ。
「もうじゃ」
「それでだよね」
「倒産じゃ」
「そうなるけれど」
「当時の日本のマスコミはな」
「普通に悪事を続けていたんだね」
「そうであった」
 博士はタロに事実を話し続けた。
「酷いことであろう」
「最悪も最悪だね」
「そうしたことがまかり通っておった」
「悪が残っていたんだね」
「最も卑しい邪悪がな」
 そうした悪がというのだ。
「だからわしはよくじゃ」
「マスコミに襲撃かけていたんだ」
「そうしてきた、新聞社にテレビ局に出版社にな」
「マスコミ各社にだね」
「襲撃を仕掛けてな」
 そうしてというのだ。
「大勢殺した、とかくわしは小悪党は嫌いでじゃ」
「小悪党程か」
「卑しいんだね」
「大物は卑しいことはせぬ」
 博士は言い切った。
「どんと構えてな」
「悪いことをする」
「悪党でも大物ならそうするんだね」
「しかしじゃ」
「小悪党は違うんだな」
「卑しいことをどんどんするんだね」
「外道な振る舞いはじゃ」
 そうした悪事はというのだ。
「小悪党こそじゃ」
「するか」
「それじゃあ当時の日本のマスコミは」
「小悪党の巣窟でな」
 それでというのだ。
「実に卑しい悪事ばかり繰り返してじゃ」
「そんな連中がずっと権力を握っていた」
「そうだったんだね」
「腐り方も半端ではなくてじゃ」
「当時の日本は大変だったんだな」
「凄く繁栄していたのしても」
「マスコミの質は世界最低であったわ」
 博士はこの言葉も言い切った。
「文句なしにな」
「記事の質だけでなくてか」
「記者の質もだね」
「学者の質もであったが」
 こちらもというのだ、つまり当時の日本の知識人の質はこれ以上はないまでに酷いものであったということだ。
「記者もな」
「酷かった」
「それにも程があったんだ」
「屑の集まりであった」
 博士は忌々し気にこうも言った。
「人間のな」
「特権を持った屑かよ」
 ライゾウも話を聞いて忌々し気に言った。 
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