八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十七話 恐ろしい病達その十
「これが違うみたいだよ」
「強くて教養もあってあるか」
「それでもとんでもなく肝が座っていて」
会津藩の軍勢が一斉に槍を突き立てても平然と前に出てその槍を鉄扇で仰いでみせてその間を悠然と通る様なだ。
「ユーモアもあって子供と一緒に遊んだり」
「何かドラマと全然違うあるな」
「器も大きかったら人望もね」
「あったあるか」
「そうだったんだよね」
「とんでもない暴力男かと思えば」
それがとだ、水蓮さんも言った。
「違ったあるか」
「ヤクザ屋さんの親分かな」
「侠客あるか」
「まあ中国で言うとね」
「あの世界の人あるか」
「そこの親分かな」
「言うなら水滸伝あるな」
水蓮さんは今度はこんなことを言った。
「どうにも」
「ああ、新選組自体がね」
「そっちの世界あるか」
「武士の世界だけれど」
これがだ。
「調べたら結構そっちに近いよ」
「そうだったあるか」
「だからお酒に女の人も絡むし」
本当にヤクザ映画みたいにだ。
「芹沢さんって梅毒だったって話もあるんだ」
「ここで病気の話に戻るあるか」
「あの人女の人でも有名だし」
暗殺された時も女の人と一緒にいる寝込みを襲われてだった。
「これは本当かわからないけれど」
「そうした話もあるあるか」
「龍馬さんと一緒でね」
「そうだったあるか」
「だから見たら」
丁度僕達は梅毒のコーナーに来ていた、こうしたことを詳しく紹介するのも教育ということか梅毒にどうしたら感染してどうした症状なのかも詳しく書かれていた。
「当時感染していた人の名前にあるね」
「そうあるな、龍馬さんも」
「それで龍馬さんどっちにしても長生き出来なかったとかね」
「言う人もいるあるか」
「そうなんだ」
「ううむ、当時はある」
水蓮さんは難しい顔で言った。
「梅毒は助からなかったある」
「結核もそうだったけれどね」
「脚気は助かったあるな」
「そっちはね」
「そうだったあるな」
「けれどこの三つの病気で」
梅毒、結核、脚気でだ。
「日本ではかなりの人が死んだよ」
「今では考えられないことあるがな」
「天然痘もあったしコレラも入ったし」
「幕末にはそうした病気があったあるな」
「今はどの病気もね」
特に天然痘はだ、もうこの病気は世の中からなくなった。
「かなり無縁になったけれどね」
「結核や梅毒もあるな」
「脚気なんて」
もうそれこそだ。
「まずね」
「ならないあるな」
「ちゃんと食べていたら」
それでだ。
「脚気や結核はね」
「ならないあるな」
「あと梅毒は気をつけていたら」
「防げるあるな」
「うん、このクラスでも書いてある通りね」
「ならないことが大事あるな」
「今は治るけれど」
ペニシリンのお陰でだ。
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