ヘタリア大帝国
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TURN22 各国の会議その十
「戦火は及ぼさせない。絶対にな」
「わかった」
ベトナムがだ。イギリスを見ながら彼に返した。
「それならだ。私達もだ」
「艦隊を送ってくれるな」
「そうする。すぐにな」
「頼むぜ。今は本当にやばい状況だからな」
「エイリスが倒れれば我々は主がいなくなる」
「ロンドンが占領されたら終わりだ」
エイリスの首都ロンドン星域はオフランスのパリ、今ドクツ軍が集結しているその星域から目と鼻の先だ。エイリスはまさに喉元に刃を突き立てられているのだ。
だからこそだ。イギリスも言うのだった。
「だからな。ロンドンじゃ総力戦だ」
「ドクツを凌ぐのね」
「そうなるね」
マレーシアとインドネシアはお互いの顔を見て話す。
「エイリスの為に」
「僕達もまた」
「この戦いに勝ったらな」
戦いの後のこともだ。イギリスは彼等に話す。彼も必死だ。
「女王陛下は御前等にこれまで以上の自治権も与えることを言っておられるからな」
「自治権、ね」
その言葉を聞いてだ。マレーシアの眉がぴくりと動いた。
そのうえでだ。こうイギリスに言うのだった。
「エイリスの中で、なのね」
「ああ、エイリス連邦っていうかな」
イギリスはこの国家の名前を出してきた。
「エイリス帝国を宗主国とした連邦国家だよ」
「言うなら独立ね」
「かなりの自由も認められるからな」
「総督はいるのよね」
「まあ。象徴みたいになるか?」
イギリスはセーラが言っていた考えをそのままマレーシア、そして他の面々に話す。
「とにかく。かなりの改革が行われるからな」
「わかったわ」
表情を消してだ。マレーシアはイギリスの言葉に答えた。
「それではね」
「とにかく今は頼むな」
「艦隊を送るわ」
マレーシアも約束した。しかしその目の感じは変わらない。
「そうするわ」
「悪いな、じゃあ頼むな」
こうしてだ。エイリス本土に植民地の国家達も艦隊を送ることを了承した。イギリスにとっては戦力を確保できた有意義な会議だった。しかしだ。
その会議の後でだ。会議室、彼等がまだいるその部屋の中でインドはそっとマレーシア達東南アジアの面々のところに来てだ。こう囁いたのだった。
既にイギリスも彼の妹もいない。彼等がいないのも見計らっての言葉だった。
「ああ言ってるたいが、イギリスさんは」
「そうだ。我々はな」
「本音はね」
ベトナムとマレーシアがインドのその言葉に応える。
「独立だ」
「それが望みよ」
「僕もだよ」
このことをだ。インドネシアも言った。
「そしてそれはオーストラリア達もだからね」
「彼等も現地の人達がいるたい」
「そう。だから独立を考えているよ」
エイリス帝国からの完全な独立、それをだというのだ。
「皆ね。今はね」
「正直。僕もです」
カメルーンも話に加わってきた。彼も残っていたのだ。
「独立したいですね」
「そうたい。植民地はもう真っ平たい」
「しかしどうする?エイリスが勝って約束通りになろうとも」
どうかとだ。ベトナムは仲間達にこのことを話した。
「私達はエイリスの中にいるままだぞ」
「そうたい。何とか独立したいものたい」
「アメリカは我々を独立させたい様だな」
ここでだ。ベトナムが言った。このことをだ。
「日本を叩くのと一緒にな」
「それは僕達にとってはいいことだけれどね」
インドネシアはアメリカ、ひいてはガメリカのその考えはよしとした。
「ただ。ガメリカはエイリスと一応同盟を結んでいるから」
「そう簡単にはいかない可能性があるな」
「どうすればいいかな、ここは」
「私に考えがある」
ベトナムは鋭い目になって一同に述べた。
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