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八条学園騒動記

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第五百三十六話 山に行くとその六

「花火の花が空に咲いてな」
「一緒にいた人はか」
「爆発してじゃ」
「バラバラか」
「花火と一緒に手足や首も舞い飛んだ」
 そうなったというのだ。
「実によかったぞ」
「そりゃ奉行所も来るね」
 タロもその話を聞いて言う。
「当然ね」
「殺人でじゃな」
「完璧にそれだから」
「そしてわしは大立ち回りも楽しんだ」
 奉行所の者達と、というのだ。
「そっちもな」
「どっちにしても楽しんだんだね」
「左様じゃ」
「それでよかったんだね」
「どれもな、しかしな」
「しかし?」
「花火だけではない」
 当時楽しんだ小悪党の殺し方はというのだ。
「大蝦蟇を出して餌にもしてみた」
「忍者みたいだね」
「妖術じゃな」
「忍者の?」
「昔から日本では架空の世界じゃが」
 現実の世界のことでないことは博士も断る。
「忍者は妖術も使う」
「そうなっているんだ」
「忍術も使うが」
 それでもというのだ。
「妖術も使っておってな」
「大蝦蟇もだね」
「よく創作の世界の忍者は使っておってな」
「博士も出したんだ」
「それで時代劇に出て来る様なならず者達を襲い」
 そのうえでというのだ。
「皆餌にしてやった」
「凄く博士らしいな」
「全くだね」 
 ライゾウもタロも博士のその言葉を聞いて言った。
「本当にね」
「江戸時代も博士は博士だったんだな」
「実に色々なことしてね」
「人も殺すからな」
「児雷也とも言われたわ」
 この忍者の名前を冠されたというのだ。
「これがな」
「まあ蝦蟇っていったらな」
「その人か天竺徳兵衛だよね」
「それで博士もか」
「そう呼ばれたこともあるんだ」
「そうじゃ、そしてじゃ」
 博士はさらに話した。
「そこでも奉行所とやり合った」
「けれど奉行所の人とはだよな」 
 ライゾウは博士のポリシーを知ったうえで博士に尋ねた。
「やり合っても殺さなかったよな」
「一人もな」
「やっぱりな」
「わしが殺すのは小悪党だけじゃ」
 義侠心からだけでなく博士の好き嫌いでのことだ、
「だからじゃ」
「殺さなかったか」
「江戸時代の間一人もな」
 奉行所の者達はというのだ。
「その他の人達もじゃ」
「そこは守るんだな」
「マドサイエンティストにとってポリシーは絶対じゃからな」
「生体実験もしたよね」
 タロは博士に博士のこの趣味のことも尋ねた。 
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