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八条学園騒動記

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第五百三十六話 山に行くとその三

「その二つか」
「身体を大きくするにはな」
「そうなんだな」
「特に牛肉とじゃ」
 それにというのだ。
「牛乳じゃな」
「その二つか」
「この二つをよく食べて飲むとな」
「身体が大きくなるか」
「個人差はあるが」
 それでもというのだ。
「背が高くなるぞ」
「そうなんだな」
「わしもそうなったしのう」
「博士が証拠か」
「そうじゃ、一八〇からじゃ」
 この背丈からというのだ。
「二メートルになったしのう」
「連合の平均身長より高いね」
 タロは慣れない山道を進みつつ言った。
「そういえば」
「そうであろう」
「連合の平均身長は一九〇だからね」
 成人男子のそれはだ。
「だからね」
「それでわしは結構目立つな」
「そちらでもね」
「うむ、実はじゃ」
「実は?」
「孔子と同じ位か」
 博士の今の身長はというのだ。
「大体な」
「中国の昔の思想家の」
「そうじゃ、孔子は実はじゃ」
「身長二メートルあったんだ」
「超えておった」
 二メートルをというのだ。
「そして筋骨隆々の大男であった」
「武人だったのかな」
「実は代々武人の家じゃった」
 そうした家の出だったというのだ。
「それで父親もな」
「大男だったんだ」
「筋骨隆々のな」
「意外だね」
「そして孔子自身武芸に巧みでな」
 弓を得意としたことでも知られている、実は孔子は学問一辺倒ではなく武芸にも秀でていたのである。
「怪力の持ち主だった」
「尚更意外だね」
「当時から見ると相当な大男であった」
「当時の平均身長と比べたら?」
「昔は今より人間の栄養状態は悪かったからのう」
 それが為にというのだ。
「人間は全体的に今よりな」
「背が低かったんだ」
「体格全体が小さかったのじゃ」
 こうタロに答えたのだった。
「これがな」
「そうだったんだね」
「バイキングで平均一七〇だったか」
「おい、バイキングっていったらな」
 ライゾウは山道、とはいってもアスファルトで舗装された道を歩いている、だがそれでも研究室の中と違うので歩くのに苦労しながら言った。
「相当にな」
「大きいイメージだな」
「大男の集まりだろ」
「実際そうじゃった」
「当時の基準ならか」
「そうであったが」
 それがというのだ。
「その背丈はな」
「一七〇位だったのかよ」
「おおよそな」
「今の連合の人間だとな」
「相当に小さいのう」
「一七〇だとな」
 平均身長一九〇から見ればというのだ。 
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