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八条学園騒動記

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第五百三十六話 山に行くとその一

               山に行くと
 博士は日本軍と少し戦った後で上野星系の第一惑星である前橋に強行着陸した、そうして着陸してから言った。
「さて、ではな」
「これから外に出てか」
「見物だね」
「山に行くとしよう」
 同行しているライゾウとタロに答えて述べた。
「まずはな」
「ってそう言ってもよ」
 ライゾウは博士の今の言葉に右の前足を出して突っ込みを入れた。
「ここ周り山だぜ」
「見渡す限りだね」 
 タロも周りを見回して言う。
「これは」
「そうだよな」
「これで山に行くって言っても」
「もう山だぜ」
「それなのに言うんだ」
「赤城山じゃ」
 行く山はというのだ。
「この山中のな」
「その山かよ」
「そこに行くんだ」
「その山道に謎の一団がおる」
 こう二匹に話した。
「わしはその一団を観に行くのじゃ」
「それだけ?」 
 タロは博士のその話を聞いて尋ねた。
「観に行くだけなんだ」
「いや、何者かを確かめる」
「そうする為になんだ」
「あと上野旅行の為にな」
 このことも兼ねてというのだ。
「行くのじゃ」
「そうだったんだ」
「そうじゃ、ではいいな」
「ああ、赤城山だな」
「そっちに行くんだね」
「そうするぞ」
 こう言ってだった、そのうえで。
 博士は二匹を連れて赤城山に向かった、ただその姿はいつもの白いタキシード裏地が赤の黒マントであり。
 途中博士達を見た登山客達は言った。
「まさかあの人」
「天本博士?」
「ひょっとしなくても」
「あの人って」
「あの恰好は」
「そうだよな」
「その通りじゃ」
 博士も登山客達に堂々と答えた。
「わしが天本破天荒じゃ」
「げっ、何でここにいるんだ」
「また何かするつもり?」
「ひょっとして」
「ここで何やらかすんだ」
「単なる人探しじゃ」
 博士は登山客達にさらに話した。
「別にその辺りのならず者を殺しに来たのではない」
「じゃあここにそんなのいたらどうするんだよ」
 登山客の一人が博士に尋ねた。
「その場合は」
「知れたこと、殺すまでじゃ」
 博士はその問いにも堂々と答えた。
「それだけじゃ」
「やっぱりそうするのかよ」
「小悪党は嫌いじゃ」
 まさにとだ、博士は登山客に答えた。
「だからそうするのじゃ」
「だからそういうのが間違いなんだろ」
「間違い?小悪党がおらん方が世の中もよいぞ」
「害を為すだけだからっていうんだな」
「そうじゃ、ならじゃ」
 はk背はさらに話した。
「よいであろう」
「そう言うのかよ」
「そうじゃ、絶対にじゃ」
 こう言ってだ、そのうえでだった。 
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