八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十六話 ビロードその七
「違うんだ」
「そうした事情なのネ」
「そうだよ、けれど何ていうか」
僕はジューンさんにあらためて話した。
「幕末とか維新には奈良はあまり関係ないね」
「やっぱり京都ネ」
「そうだよね」
「それで軍隊モ」
「陸軍か海軍で」
「空軍なかったかラ」
「関係ないよ、ただ飛行機の名付け親は」
僕はジューンさんにこのことも話した。
「森鴎外さんだしね」
「あの文豪ノ」
「そう、あの人がね」
「飛行機って名付けたノ」
「そう日本語訳したんだよ」
「そうだったのネ」
「一応維新の人だから」
その頃にドイツ留学をしている。
「そう言っていいかな」
「森鴎外っていうト」
この人自体についてだ、ジューンさんは僕に話してくれた。
「この学校の授業だとネ」
「評判悪いよね」
「先生いいこと言わなかったワ」
「だってね、あの人作家としてはともかく」
「色々と問題のある人だったかラ」
「脚気でね」
この病気でだ。
「脚気のこと扱ってるクラスもあったね」
「幕末や維新の病気のことでネ」
「あの時日本大変だったんだよ」
脚気のことでだ。
「江戸とか大阪で沢山の人が死んで」
「それ先生も言ってたワ」
「授業でもだよね」
「もう酷かったっテ」
「パンを食べたらならないよ」
ビタミンB1をちゃんと摂取しているとだ。
「それならね」
「そうよネ」
「白米のご飯ばかり食べていると」
「脚気になるのよネ」
「アメリカにはないよね」
「だってアメリカパンヨ」
だからとだ、ジューンさんは僕に答えてくれた。
「あとジャガイモも食べるワ」
「大体そういうのが主食だね」
「ご飯も食べるけれド」
この辺り多民族国家、新種のサラダボウルと言われるアメリカらしい。他にはシチューとかも言われるらしい。
「やっぱり主食はネ」
「パンだよね」
「だかラ」
それでというのだ。
「脚気はネ」
「ないよね」
「これ大抵の国で、でしョ」
「うん、麦を食べると」
その国ではだ。
「水蓮さんも言ってたけれど」
「中国でもネ」
「あそこもお米が主食かっていうと」
中国はというと。
「北じゃ違うし」
「北は麦よネ」
「包とか餅とか麺類とかね」
この場合の餅は麦を練って焼いたものだ、韮餅とかがそれだ。
「そういうのでね」
「南の方でも麺とかちゃんと食べるかラ」
「脚気にならないね」
「それが日本だト」
「おうどんとかは食べても昔は圧倒的に」
都会だとだ、江戸や大坂の様な。
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