八条学園騒動記
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第五百三十五話 焼き肉食べ放題その四
「いい肉だな」
「安いお肉でも」
「それでもだな」
「美味しいお肉ってことだね」
「だからどんどん食えて」
実際に友人はかなり食べていた、今度はロースを自分で焼いて食べている。
「お酒も進むね」
「そうだな、かなりいいな」
「キムチもあるし」
野上君は実際にキムチを食べている、そのうえでの言葉だ。
「お肉も進むね」
「キムチな、焼き肉っていったらな」
「これがないとね」
「駄目ってところあるな」
「お肉に辛いものがあると」
それでとだ、野上君もロースを焼きつつ言った。
「完璧だね」
「香辛料自体な」
「キムチに入っている唐辛子もそうだし」
「胡椒だってな」
「胡椒は欠かせないね」
肉にというのだ。
「やっぱり」
「焼き肉はタレがあるにしても」
「それでもね」
「肉には胡椒だな」
「それがないと」
それこそというのだ。
「逆に駄目な位かな」
「ステーキとかローストビーフとかな」
「それで欧州は胡椒がなくて」
「あそこないものばかりだしな」
友人はここでは嘲笑した、彼も連合の者なのでエウロパは嫌いなのだ。勿論それは野上君も同じである。
「それでだったよな」
「そうそう、胡椒もなくて」
野上君もその反エウロパ感情を出して友人に応えた。
「海に出たんだよね」
「それで悪の限りを尽くしたよな」
「大航海時代にね」
「侵略と虐殺と破壊か」
「連中野蛮だからね」
「それでだったな」
「連中に胡椒なんていらないのにね」
野上君は自身の反エウロパ感情を強めて語った。
「まずいの食べてればいいんだよ」
「連中はな」
「確かにお肉には香辛料必要だけれどね」
「味が変わるからな」
香辛料を使うとだ。
「それだけで」
「それもかなりな」
「焼き肉もタレがないと」
調味料そして香辛料で作られたそれがというのだ。
「本当にね」
「どんな味か」
「わからない位だよ」
「それだけ欠かせないってことだよ」
肉に香辛料はというのだ。
「僕達がこれまで食べたことない位にね」
「香辛料を使っていない肉料理は」
「特に胡椒は」
「そういうことだな」
「そうそう、あとね」
野上君はロースを食べつつさらに言った。
「今の僕達は酒池肉林だね」
「食べ放題飲み放題でな」
「文字通りにそうだね」
「酒池肉林って元々そうした意味だろ」
「いやらしい意味になってるけれどね」
「乱痴気騒ぎだな」
「もう女の子に囲まれて」
そうしてというのだ。
「遊び放題」
「酒も飲んでな」
「そうした退廃的というか破滅的というか」
「そうした遊びだってイメージあるな」
「実際にそうしたこともあったけれど」
この言葉の語源となった殷の紂王の逸話ではだ。
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