八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十五話 カップルの来店その六
「中尉は確かに軽薄でもね」
「良心があったから後悔してね」
「絶対に家庭も暗くなるけれど」
「良心がないと」
「平気だから」
そうしたことになってもというのだ。
「もうね」
「暗くもならないね」
「それこそ蝶々さんのことなんて」
とても悲しい死を迎えたけれどだ。
「思い出すこともなくて」
「平気で暮らしていて」
「何も思わないでしょうね」
「そんなこと出来たら」
それこそとだ、僕はシャーマンさんに話した。
「本当に凄いね」
「悪い意味でよね」
「うん、それもかなりね」
「そうよね、けれど」
「日本のマスコミや学者にはね」
「そうした人が多いのね」
「普通はあれだと思うよ」
僕は眉を顰めさせて先程自分が思ったことを話した。
「北朝鮮を地上の楽園だとか言って」
「ああ、沢山の人が行ったのよね」
「あの国にね」
多くの半島にルーツがある人そのご家族の人達がだ。
「それで誰もね」
「帰って来ないで」
「地獄の苦しみを味わったんだよ」
「地上の楽園じゃなかったんだね」
「その真逆でね」
何でもあの国に行く船に乗って港を離れた瞬間に騙されたと思ったらしい。思うにもあまりにも早い。
「この世の地獄だったんだ」
「それが真実だったのね」
「それでね」
「あの国が楽園だって言ってた人達は」
「あの国に行く様に勧めていたけれどね」
帰国事業だ、昭和三十年代から五十九年まで続いていた。
「それで沢山の人があの国に渡って」
「地獄を見たのね」
「しかも帰って来ていないから」
「とんでもない話よね」
「けれどこのことに関わった人は」
「一人も責任取ってないのね」
「誰一人としてね」
文字通りそうだから余計にとんでもない。
「マスコミの人達も学者の人達も政治家の人達も」
「誰もなのね」
「知らない振りするどころか」
これだけでも絶対に許せないことだと思うけれどだ。
「他の人に責任転嫁したりね」
「したのね」
「そうなんだ」
「最低と呼んでもまだ足りないわね」
「だからもうね」
それこそだ。
「悪魔とか外道とか」
「そう呼ばれるべき人達ってことね」
「悪魔といっても」
悪魔といっても色々だ、ルシファーみたいなとてつもない存在もいればメフィストフェレスみたいな紳士でかつ契約に五月蠅い悪魔もいる。
そしてこの場合の悪魔はというと。
「悪意の塊で」
「実際そうした悪魔って少ないのよね」
「自分達の世界に人を引き込むけれどね」
「契約に厳しいでしょ」
「自分達の倫理にはね」
これがキリスト教の悪魔の標準だと思う。
「元々天使だったり神様だったりするから」
「他の宗教の神様多いからね、悪魔って」
「そうなんだよね」
例えば魔王の中でもかなり有力なアスタロトという魔王は元はバビロニアの女神イシュタルであったし同じくかなり有力な魔王ベリアルは天使だった。
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