八条学園騒動記
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第五百三十三話 天本博士と謎の集団その十
「どうしてもじゃ」
「そのことはですね」
「それもイスラムでは最大のタブーの一つじゃ」
イスラムの戒律ではというのだ。
「だからじゃ」
「物凄く厳しいですよね」
「それで絵画や彫刻が発達しなかった」
その芸術の分野がというのだ。
「写真についてもな」
「色々言われていますね」
「極めて寛容な宗教であるが」
「こと偶像崇拝は、ですね」
「厳しくてな」
それでというのだ。
「このことはな」
「厳しくて、ですね」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「バハムートもな」
「描くこともそういえば」
「少ないであろう」
「イスラムの絵自体が」
どうしてもというのだった。
「少ないですし」
「ムハンマドの絵もあることはあるがな」
「少ないですね」
「そしてバハムートもじゃ」
今話しているこの魚についてもというのだ。
「その絵は少なくな」
「メカにすることも」
「どうかという意見があるであろうが」
「それでもですね」
「わしは造られるならな」
そうした状況になればというのだ。
「造るぞ」
「そうされるんですね」
「何度も言うがこの宇宙では無理であるがな」
「この宇宙を額に乗せる位なので」
「流石にのう」
「つくづくとんでもない大きさですね」
「精神世界の存在は途方もない」
まさにと言うのだった。
「インド神話の神々も同じであるな」
「ああ、マウリアの」
「ヒンズー教のな」
「あの神話も凄いですね」
ヒンズー教の話も聞いてだ、野上君は述べた。
「神様の大きさが」
「普通に星一つ位の大きさにもなろう」
「というかですね」
野上君はさらに話した。
「この宇宙が出来てなくなるまでがですね」
「神の一日じゃ」
「そうですよね」
「だからもうな」
「途方もない存在ですね」
「イスラムのバハムートも凄いが」
「ヒンズーの神々も凄いですね」
しみじみとした口調になってだ、野上君は話した。
「確かに」
「そうであろう」
「ギリシア神話も相当ですけれどね」
「イスラムもじゃ」
「左様ですね」
「そしてな、今はな」
「ラドンをですね」
まただった、野上君は博士に問うた。
「機械にしたんですね」
「そういうことじゃよ」
「そうですか、ただ」
「ただ?」
「百の頭までよく再現しましたね」
「何でも忠実に再現したのじゃ」
大きさだけでなくというのだ。
「そこまでじゃ」
「再現してですか」
「この度な」
「上野星系に行かれるんですね」
「最初に言った通り気になることがあってな」
それでというのだ。
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