八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十四話 ガジュマルの木の傍でその三
「その殆どが本州の人で」
「あまり知らないんだね」
「知ってる人少ないわよ」
こう僕に話してくれた。
「本当にね」
「そうだったのね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「ここアイヌの人達もいるわよね」
「うん、専門で研究している人もね」
「大学の方にいて」
「知ってる人もいて妖怪も」
アイヌに伝わるだ。
「コロボックルがいるからね」
「そうよね」
「それでキジムナーもね」
この妖怪もとだ、僕は美沙さんに話した。
「いるんだ」
「このガジュマルの木に」
「見たって人多いし」
それにだ。
「片目がないお魚食堂に多いしね」
「あたしも一回そうしたお魚食べたわ」
「そうだよね、キジムナーはね」
「お魚の目が好きでね」
「それで片目だけ取ってね」
「それを食べるのよね」
「そうしているんだ」
こう美沙さんに話した。
「これがね」
「だからキジムナーがいると」
それでだ。
「それでわかるんだ」
「食堂とかでお魚食べるとね」
「片目がないからね」
「普通両目あるわね」
「そうしたものだから」
「だからわかるのね、それにしても」
美沙さんはそのガジュマルの木を見つつまた僕に話した。
「ガジュマルの木って独特ね」
「本州にも北海道にもない木だから」
「それでね」
そのせいでとだ、僕は話した。
「ここにあってもね」
「少し場違いな感じもするわね」
「そうだよね、植物園にもあるけれど」
それでもだ。この木もね」
「あそこはもうね」
「完全によね」
「沖縄のコーナーにあるから」
こう美沙さんに話した。
「違和感がないよ」
「そうよね」
「それであそこもね」
植物園の沖縄のコーナーでもだ。
「キジムナーの話があるんだ」
「この学園の敷地内って何処も妖怪のお話あるからね」
「あそこにも一杯いてね」
そうしてだ。
「植物園とかの食堂でもね」
「お魚片目ないのね」
「そうなんだ」
「本当にそれで目立つわね」
「そうだよ、実際に」
これがだ。
「キジムナーがいる証になっているんだ」
「そのこと自体が」
「どうもね、それとね」
「それと?」
「キジムナー以外の妖怪もね」
そちらの話もだ。
「この学園にはあるんだ」
「そうなのね」
「色々とね、ただ北海道の妖怪かな」
僕はこのことは少し疑問に思ってこう美沙さんに話した。
「羆嵐はね」
「ああ、あれね」
美沙さんもこの言葉には眉を顰めさせて言った。
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