八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十三話 古典であるものその十一
「あそこもね」
「そうなんだね」
「だから機会があったら」
「行くといいんだね」
「うん、寒いけれどね」
「雪降るかな」
「冬は凄いよ」
僕は即答で返した。
「実際にね」
「そうなんだね」
「これは札幌や小樽もだよ」
函館以外の北海道の主な街もだ。
「冬は長くてね」
「それで雪もだね」
「凄く積もるから」
「それはいいね、アルゼンチンにはパンパってあるけれど」
「大平原だったね」
地理の授業でこう教わっている。
「確か」
「うん、そこには雪とかね」
「なかったね」
「それでアルゼンチンの北は」
「ブラジルだね」
「ブラジルっていったらアマゾンだよね」
「熱帯雨林気候のサンプルだよね」
やはり地理の授業でそうある、とにかく物凄い密林地帯でかなり暑い。そして非常に多くの猛獣や有毒生物が存在している。
「あそこで雪とか」
「絶対にないよね」
「アマゾンに雪とか」
それこそだ。
「絶対にないものだね」
「あるのは緑の密林と雨、川だよ」
「そうだよね」
「そうした場所が北にあって」
「アルゼンチン、ブエノスアイレスにしても」
「緯度で見てもわかるよね」
「ニュージーランドより北なんだよね」
これはメルカトル図法の地図で見るととてもわかりやすい。
「熱帯でなくても」
「だからね」
「雪については」
「やっぱり縁が薄いから」
殆どないと言っていい。
「だからなんだ」
「日本に留学に来てだね」
「実際に見ることが出来たしね」
「これからもだね」
「冬は見ていきたいね。寒いけれど」
クーラ君は笑ってこうも言った。
「それでも見る価値はあるよ」
「この神戸でもだね」
「うん、神戸の冬も寒いね」
「それでも見る介はあるよ」
その返事は確かなものだった。
「心からそう思うよ」
「そう言ってくれると何か嬉しいね」
日本人としてだ、本当にそう思った。
「じゃあ今年もね」
「冬はね」
「雪を見てね」
「そうさせてもらうね」
クーラ君は僕に笑顔で話してくれた、そうした話をしてだった。僕は彼と共に演歌を聴いた。それで一段落してだった。
体育館を後にしようとした、するとクーラ君からこんなことを聞かれた。
「今度は何処に行くのかな」
「まだ休憩時間だから」
クラスでやっている喫茶店のとだ、僕は彼に顔を向けて答えた。
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