| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百四十三話 古典であるものその七

「絶対に思わないよ」
「そう思うと日系人部隊の人達凄いね」
「四四二部隊だね」
 クーラ君はすぐにその日系人部隊の話をした。
「あの部隊だね」
「あの部隊は本当に強くて」
 それでというのだ。
「大活躍したけれど」
「損害も多かったんだよね」
「自分達を迫害する国に命を賭けて戦うとか」
 それが祖国でもだ。
「出来るかっていうと」
「君も無理だね」
「知り合いに応援チームを親会社に潰された人いるけれど」
「その人今も親会社嫌ってるよね」
「もう徹底的にね」
 そのチームを心の底から憎んでいる。
「本当にね」
「そうだよね」
「それが普通かもね」
 もうその人は何かあると親会社のグループの悪口を言っている、その人曰くチームを潰されるまではそんなことは絶対にしなかったらしい。
「祖国に裏切られたら」
「恨むよね」
「別の国に移って」
 そしてだ。
「ずっとその国に敵対するかもね」
「僕も祖国にそうされたら」
 クーラ君はこうも言った。
「チリかブラジルに移って」
「ブラジルがライバルでもだね」
「そこに移ってね」
 そのうえでというのだ。
「終生アルゼンチンと戦うよ」
「そうするんだね」
「というか日系人の人もだよね」
「ああ、何かあれからね」
 強制収容所から出てだ。
「日本に行った人いるらしいよ」
「相当酷い扱いだったっていうからね」
「収容所のトイレって壁もなくて」
 この時点で当時の刑務所かそれ以下だったみたいだ。
「脱走しようとして射殺されたとか」
「そうした人もいたんだ」
「僕の知ってる人で射殺した人のところにわざわざ行って」
 あえてそうしてだ。
「その時どう考えていたとか今その時の自分をどう思うかとか」
「聞いたんだ」
「それでその人のご近所やご家族に行ったり」
「それ凄い意地の悪さだね」
「差別主義者は大嫌いらしくて」
「そこまでネチネチとするんだ」
「聞かれた人死にそうになっていたらしいよ」
 後で欝になったらしい、周囲や家族に過去の自分の行為を攻められて。差別に加担して仕事のこととはいえ無実の人を射殺してだ。
「当時日系人を迫害した人達のところにも行って」
「何か日本の特撮ヒーローでそういうのいたね」
「ああ、サイドカーに乗っていた」
「それ位の執念深さと残忍さと陰湿さだね」
「そうだね、もうわざわざね」
「そういうことしていたんだ」
「本人に当時の自分を認識させて」
 例えそれが人種差別でもだ。
「お子さんやお孫さんに言い回るってね」
「卑劣でもあるね、もう評価は固まってるし」
「それがわかっててね」
「やってたんだ」
「そう、それでね」
 そのうえでだったのだ。
「何人もそうして糾弾させたらしいよ」
「ワシントンの桜切ったり日系人のお寺とか壊した人もいたね」
「直接暴力を振るったりね」
「そうした人達のところになんだ」
「六十年位過ぎてからね」
 つまり相手がお年寄りになってからだ。
「日本からカルフォルニア勤務になって」
「そうした人達のところになんだ」
「言って回ってね」
「糾弾して回ったんだ」
「それで家庭を幾つも崩壊させて」
 お子さんやお孫さんに糾弾されれば自然とそうなる。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧