八条学園騒動記
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第五百三十二話 有り得ない政府その十
「これがです」
「いいですね」
「はい、それでは」
「宜しくお願いします」
二人で話してだ、そしてだった。
二人は今は庭の景色に美味しいものも楽しんだ、それが終わった後でだ。トラップはマリアにこう話した。
「お寺に行きますと」
「日本のお寺ですね」
「はい、仏教の」
こうマリアに答えた。
「あのお寺に行きますと」
「何かありますか」
「こうしたお茶とお菓子、景色も楽しめます」
「お寺もですか」
「お寺にもよりますが」
それでもというのだ。
「この様に楽しめます、そして六月には」
「この学園のある地域で六月は」
「雨が多いですね」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「その六月ならではのお花も楽しめます」
「この地域で六月のお花は」
「紫陽花ですね」
「そうですね、あのお花ですね」
その通りだとだ、トラップも答えた。
「左様ですね」
「トラップさんは紫陽花がお好きですか」
「はい」
実際にとだ、トラップは答えた。
「こちたに来てからです」
「お好きになったのですか」
「そうなりました」
実際にというのだ。
「高校時代に高等部の校庭で見て」
「あの紫陽花達を」
「実際に見てです」
それでというのだ。
「好きになりました」
「そうでしたか」
「はい、そして」
トラップはさらに話した。
「今もです」
「お好きですか」
「それでお寺に行きますと」
六月にというのだ。
「楽しめます」
「六月は紫陽花ですね」
「五月は皐月で」
この季節はこの花でというのだ。
「七月は朝顔が」
「お好きですか」
「そうなのです」
こうマリアに話した。
「その月それぞれで」
「私はそこまでは」
「意識されていないですか」
「薔薇や百合が好きで」
それでというのだ。
「そうしたお花は何時でも見たいですが」
「月によってはですか」
「そうした意識はです」
それはというのだ。
「あまりないです」
「そうですか」
「ただ。紫陽花や皐月は」
こうした花達はというのだ。
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