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八条学園騒動記

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第五百三十二話 有り得ない政府その九

「実に」
「そうですね、その渋さがです」
「お菓子にも合っていますね」
「とても。和菓子達にです」
「よく合っていて」
「それで、です」
 トラップはさらに言った。
「ここで茶店を見付けられてよかったと」
「思われていますか」
「その様にも。お庭も見られていますし」
「花鳥風月も」
「花鳥風月の中でお茶とおお菓子つまり茶道も楽しむ」
「日本の楽しみですね」
「そして贅沢かと」
 マリアにこの言葉も出して話した。
「やはり」
「贅沢ですね」
「お金はかかっていますがそれ以上に」
「それ以上にとは」
「多くのものを同時に楽しんでいるので」
「花鳥風月と茶道をですね」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「これは贅沢なものとです」
「トラップさんは言われますか」
「思っていて」
 つまり思っていたことを素直に話しているというのだ、つまり自分の美への想いを率直に述べているのだ。
「そのうえで」
「そうですか」
「はい、それとですが」
 トラップはさらに話した。
「これからもです」
「今回だけでなく」
「一緒にこうした場所を巡って」
 そしてというのだ。
「そうして楽しみたいですが」
「私とですね」
「一人でいるよりも」 
「二人ですか」
「貴女と」
 こうマリアに言うのだった。
「宜しいでしょうか」
「はい」
 マリアは微笑んで答えた。
「私もです」
「そう思われていますか」
「はい」
 その通りだとだ、マリアは答えた。
「お願いします」
「そうなのですね」
「それでは」
「また機会をあらためて」
 そうしてというのだ。
「宜しくお願いします」
「わかりました、では今は」
「今はですね」
「お茶を飲みましょう」
 抹茶、それをというのだ。
「そうしましょう」
「和菓子も食べて」
「そして景色も」
 こちらもというのだ。
「楽しみましょう」
「お庭もですね」
「まさにこれこそが」
 二人が今いる状況がというのだ。
「日本の贅沢ですから」
「だからですね」
「お庭の景色を楽しんで」
「そしてそのうえで」
「お茶を飲んでお菓子を食べる」
 つまり美味なものも楽しむというのだ。 
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