夢幻水滸伝
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第百八話 低い山なれどその五
「あの泡もいい、だが」
「過ぎると駄目ということですね」
「これはどういったものもだが」
「ビールも然りやということですか」
「もっと言えば酒自体がな」
「わしも酒は好きです」
ママニが言ってきた。
「特に肉と一緒に飲むんが」
「焼き肉もだな」
「かなり好きです、ですが」
「そうだ、やはり過ぎるとな」
「よおないってことですね」
「そういうことだ」
「それやとですね」
ジオンゴも言ってきた。
「お肉も何でも」
「そうなる、食事は偏食はな」
「あかんってことですね」
「肉ばかり、野菜ばかりでもな」
「野菜ばかりでもですか」
「野菜類はビタミンは豊富だが」
この栄養素はあるが、というのだ。
「蛋白質や糖分がないからな」
「野菜ばかりですと」
「どうしても身体のバランスが悪くなる」
「そうですか」
「蛋白質が身体を作るからな」
「ほなちゃんとお肉を食べて」
「牛乳や大豆もいいがな」
こうしたものからも蛋白質を摂取出来るのだ。
「しかしだ」
「野菜ばかりでもですね」
「よくはない」
「そうですか」
「だからモンゴル人は茶をよく飲む」
「あそこはお肉や乳製品主体でも」
「茶からビタミンを摂っている、血も飲んでな」
家畜のそれをだ。
「そうして栄養を摂取しているのだ」
「バランスよく」
「だからここで飲み食いをしてもな」
「そうしたことまで考えて」
「それで食って飲むべきだ」
これがいいというのだ。
「やはりな」
「そうなりますか」
「野菜を焼いて食ってもいいし果物もな」
こちらもというのだ。
「食ってもいい」
「それでお酒は程々に」
「そういうことだ」
「僕っち飲む時は相当で」
ヘッドがその大柄な身体で言ってきた。
「それこそビールは」
「ネロ=ウルフ並に飲むか」
「それはあきませんか」
「君の体格ならそれだけ飲むか」
ヘッドもまた大柄だ、優に二メートル以上ある。そして筋肉も見事だ。吉川は彼のその体格を見て話した。
「個人の体格も関係するからな」
「ほなええですか」
「それ位飲んでもな、しかしな」
「それが毎日やとですね」
「やはり危険だ」
痛風になる恐れがあるというのだ。
「気をつけることだ」
「ほなそうしていきます」
「是非な、それとだが」
ヘッドはさらに話した。
「この若草山の話に戻すが」
「ピクニック向きの場所ですね」
ジオンゴの横にいるスライムが言ってきた。
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