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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十二話 学業成就とその十四

「やはり」
「折角の恋愛もね」
「なくなってしまいますね」
「優しさ以外のこともね」
「必要ですね」
「もう何かと必要だってね」
 それこそだ。
「親父も言ってたしね」
「お父様もですね」
「僕のね、まあ親父はあれでね」
 本当にとんでもなく破天荒な人間だけれどだ。
「優しさがあって思いやりもね」
「お持ちなんですね」
「人が持っていなくていけないものは」
 そうした要素はだ。
「全部しっかり持ってるってね」
「義和さんは思われますか」
「いや、僕はまだね」
 そう聞かれるとだ。
「わからないよ」
「そうですか」
「人として必要なものは何か」
 それはだ。
「全部はね」
「おわかりになれないですか」
「うん、一体どういったものが大事か」
 優しさとか思いやりとかはわかる、そしていざという時の勇気も必要だと思う。けれどそれでもだ。
 全部はわからない、ある人は生きていればわかると言ってくれたけれど十七かその辺りではまだまだということか。
「わからないよ」
「そうですか」
「これは一族の人が言ってくれたんだ」
「八条家の」
「一族のある人がね」
 親父は確かに八条家の異端児だけれど嫌われているかというとどうも決してそうではないみたいだ。ただその破天荒な行いがどうかと言われているだけで。
「人にとって必要なものが何かは」
「生きていればですね」
「全部わかる様になって」 
 そしてというのだ。
「親父はね」
「そうしたものをですね」
「全部持ってるってね」
「言われていますか」
「うん、そしてね」
 そのうえでだ。
「破天荒であっても」
「人として必要なものはですね」
「全部持っている」
 まさにというのだ。
「そんな人で恋愛もね」
「何かとですね」
「必要だって言ってるよ」
「そうですか」
「そしてね」
 僕は小夜子さんにさらに話した。
「それを備える為には」
「やはり努力ですね」
「恋愛というか人間をね」
「勉強することですか」
「そうすればいいってね」
「お父様に言われましたか」
「うん、それで恋愛は遊びじゃない」
 遊び人の親父の言葉だ。
「そうもね」
「言われていましたか」
「うん、そう思うと」
 本当にだ。
「相当に勉強するものみたいだね」
「恋愛については」
「どうもね、それで小説だと」
 ここでこちらの話を入れた。 
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