八条学園騒動記
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第五百三十一話 二人だけとなりその十
「他の何よりも代え難い」
「そうしたものですね」
「ですから」
「中央政府の政策でも」
「そうした政策は歓迎すべきです」
「そこは柔軟にですか」
「人はパンがないと生きていけず」
この時代でもそう言われている、ただしキリスト教はパンと水だけにあらずと言っている。そこに教えも必要だというのだ。
「余裕もです」
「それもですね」
「今の我々は」
即ち連合はというのだ。
「その余裕がです」
「欠かせないですね
「ですから」
それでというのだ。
「余裕は娯楽、そして産業もです」
「生み出すものですね」
「そして文化も」
こちらもというのだ。
「余裕がないならないなりにです」
「文化は生まれますか」
「はい、ですが余裕があれば」
「その分ですね」
「豊かな文化が生まれるので」
だからだというのだ。
「社会に余裕があることはです」
「いいことですね」
「私はそう考えていますので」
「よい制作ならですか」
「それが中央政府の政策でもです」
各国の権限を尊重すべきと考える分権派でもというのだ。
「そこはです」
「現実を優先させて」
「支持します」
「そうですか」
「はい、ですが」
ここでトラップはこうも言った。
「やはり連合という国は」
「各国政府が、ですか」
「権限が守られるべきとです」
「お考えですか」
「連合は国家連合です」
その国名はそのまま星間国家連合という。
「ならです」
「各国の権限がですか」
「守られて自主性もです」
「守られるべきですか」
「さもないとです」
それこそというのだ。
「連合ではありません、三百以上の国があり」
「そのどの国もですね」
「独立国家なのですから」
「独立国の主権はですか」
「害されてはいけません」
そこは決してというのだ。
「中央政府は存在しても」
「各国もですね」
「存在しているのですから」
だからだというのだ。
「主権は守られなくてはいけないです」
「そうですか、では日本も」
「はい、この国はよく中央政府寄りになりますが」
このことで定評もある国でよく中央政府第一の側近だの中央政府の太鼓持ちだの言われることもある。
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