夢幻水滸伝
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第百六話 鉄砲という名の魚その七
「負けていられないから」
「まず太平洋の棟梁になるのは」
「うちよ」
この返事は一言であった、しかも強いものだった。
「絶対にね」
「そやからですね」
「今度の戦でもね」
太平洋の覇権を争うそれでもというのだ。
「あたい達が勝つわよ」
「中南米とアフリカの連合が」
「そうなるわよ、あと地下世界と北極の浮島の子達もね」
「あちらもですか」
「結局覇権争いに参加するらしいわよ」
アレンカールはここでこのことも話した。
「どうやらね」
「中立を守るってことは」
「どっちも最初からその考えもあったらしいけれど」
「迷ってましたか」
「そうだったみたいだから」
こうリョサに答えた。
「それでね」
「ここで、ですか」
「決めたのよ」
「覇権争いに参加すると」
「碧ちゃんが最初から乗り気でね」
「国木田さんがですか」
「ええ、もうどうせならってね」
そう言ってというのだ。
「それでスウィスト君もやはりってなってね」
「ああ、小泉さんですか」
「日本名はそうだったわね」
「はい、小泉正太さんでしたね」
「北極の星の子達は皆欧州生まれだけれど」
「どの人も日本に帰化してて」
それでとだ、リョサはアレンカールに話した。
「日本名を名乗ってますね」
「そうよね」
「今はそっちの方がです」
「本名よね」
「はい、それで」
そのうえでと言うのだった。
「国籍も日本です」
「そうよね」
「あちらの方々もですか」
「北極の子達は最初からある程度腹を決めていてね」
「ただ表明していなかっただけですか」
「覇権争いへの参加をね、ただ地下世界の方は」
そちらはというと。
「棟梁の愛ちゃんが乗り気でなかったのよ」
「あの人は平和主義ですからね」
ピエトリが言ってきた。
「そやからですね」
「そう、だからね」
「あちらの方は」
「迷っていたけれど」
それでもと言うのだった。
「それがね」
「決心されて」
「覇権争いに参加してね」
「戦うことになりましたか」
「地下世界もね」
そうなったというのだ。
「そうなったわ」
「そうなのね」
「そう、だから地下世界についても」
こちらもというのだ。
「戦ってそうしてね」
「どうなるかが決まりますね」
「そうなったわ」
アレンカールはピエトリに話した。
「神星だけが覇権に参加するのでもないわ」
「そうですか、しかし」
ここで、だった。チェチーリアが言ってきた。
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