夢幻水滸伝
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第百五話 鹿に気をつけつつその二
「地元の人には好かれてねえんだよ」
「そりゃそうですね」
やや釣り目になっているスコーンとしては変わった目の女が言ってきた、着ている服は修道士のものだ。人飛星イザベル=パストスだ。パラグアイ出身で職業は僧兵である。持っている神具はテオヤオムクイの棒という強力な武器である。。
「こんな態度なら」
「こう言ってもだろ」
「はい、こうして傍で」
イザベルも述べた。
「言っても」
「どうもこっちの世界でも起きた世界でもな」
幸田はさらに話した。
「この連中おいら達の言葉わかってるな」
「そういえば」
言われてみればだ、イザベルも理解した。
「そうした感じですね」
「反応するしな」
「では聞こえていて」
「態度をあらためねえんだよ」
「その気配は毛頭ありませんね」
「それがな」
まさにとだ、幸田はイザベルに話した。
「この連中ってことだな」
「そうですか」
「だからな」
幸田はさらに言った。
「普通に態度さえ変えないな」
「そうですか」
「まあな」
それでもとだ、幸田は今度はやれやれという顔で述べた。
「この連中はこういう連中ってことでな」
「付き合っていくしかないですか」
黒づくめの丈が短めの魔導士の様な上着とズボンの一七〇近い背でやや紫がかった魔族を思わせる肌の女だ、種族は魔族ではなくフランケンだ。人俊星シルビーナ=ダルトンである。エルサルバトル出身で職業はスパイ所持している神具は使えば多くの者の傷を癒すイツラマリウオの木である。
「こうした者達やと」
「そうだよ、だからな」
「ご飯をねだってくれば」
「その時はな」
まさにというのだ。
「やってな」
「お弁当でも何でもですね」
「そうだよ」
それこそというのだ。
「やってな」
「いいとしますか」
「とにかく何でも食うけれどな」
奈良の鹿達はというのだ。
「そこは仕方ないってことでな」
「そういうことですね」
ここでだ、科学者の白衣と青いスーツにズボンの鹿人の男が言ってきた。鹿といってもアマゾンにいる様な種類だ。人幽星ルイス=センテロッソだ、チリ出身で職業は科学者持っている神具は己の知力を上げるショチュケツアルのネックレスだ。
「結局は」
「ああ、だからな」
それでと言うのだった。
「納得しろよ」
「納得出来なくても」
「そうだよ、世の中はな」
「納得出来ないことでもですね」
「無理に納得してな」
そうしてというのだ。
「受け入れることもな」
「時にはありますか」
「ああ、だからな」
それでと言うのだった。
「この鹿達もな」
「僕達はですね」
「こうした連中って理解して」
そうしてというのだ。
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