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夢幻水滸伝

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第百四話 公園においてその十二

「それで何処も攻めないか」
「そう考えるのは甘いですね」
 セプルベダも述べた。
「やっぱり」
「わかるでしょ」
「はい、ロシアからは欧州を攻められて」
 地理的にそれが可能であることはこの世界でも同じだ。
「インドとロシアの南から中東を攻められます」
「そして中東からアフリカの北の西岸までね」
「モロッコまで、ですね」
「攻められるわ」
「既に中央アジアは領有してますし」
 そうなっているからだというのだ。
「そこからですね」
「中東、アフリカの北よ」
「一気に進められてしまいそうですね」
「そして欧州も」
 ピエトリも言ってきた。
「ロシアから攻めれば」
「わかるでしょ」
「東欧から西欧まで」
「丁度バルバロッサ作戦の逆よ」
 ナチス=ドイツが当時ロシアをはじめ多くの国を連邦にしていた共産主義国家ソ連、ソビエト社会主義国家連合を攻めた作戦だ。東欧のソ連との国境から三百万の大軍を送り込んだ空前の大作戦だった。
「左様ですね」
「あちらも世界を統一して」
 そのうえでというのだ。
「この世界を救おうと考えているのよ」
「星の人として」
「そうよ、だからね」
 それが為にというのだ。
「こちらに攻めずとも何もしない筈がないでしょ」
「こちらへの不介入は、ですね」
「ちゃんと理由があるのよ」
 彼等なりのそれがというのだ。
「やっぱりね」
「それはやはり」
「若し太平洋に攻め込んだら」
 その枢軸がだ、エチェニケが述べた。
「共通の敵が出来て」
「ええ、あたい達が戦をする以前にね」
「団結して統一につながる」
「そうなるし、しかもね」
 アレンカールはエチェニケにも話した。
「九十五億の民と物凄く広大な領土よ」
「それを一気にとなりますと」
「無理だから」
「今のあちらの力では」
「だからよ」
「今はこちらには来ないのですか」
「そうよ、今はね」
 こうエチェニケに話した。
「わかるわね、他の皆も」
「あくまで今は、ですね」
 今度はリョサが応えた。
「それは」
「そうよ、今はね」
「そうですね」
「あくまで今は、よ」
「後はわからないですね」
「力をつけたら」
 太平洋全域を攻めて掌握出来るだけのものは備わればというのだ、アレンカールはそこまで見て語るのだった。
「その時はね」
「こちらに来ますか」
「そうね、中近東とアフリカの北にね」
「欧州ですね」
「そこまで掌握して」
 そうしてというのだ。
「そこにいる星の子達も全部加えてね」
「そうしてからですね」
「こちらに来るのかもね」
「世界を二分してから」
「そうなったらもうこっちも戦うしかないから」
 太平洋の方もというのだ。 
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