夢幻水滸伝
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第百四話 公園においてその十
「瞬く間と言っていい位にね」
「今の状況になったな」
「そうよ、そう考えるとね」
まさにとだ、アレンカールはインペルに話した。
「私達はかなり恵まれてるわね」
「何ならだ」
ここで言ったのはアレルフォだった。
「我々が統一したならな」
「欧州の星の子達に協力ね」
「そうするが」
「それはこっちが申し出てもよ」
それでもとだ、アレンカールはアレルフォにも答えた。
「あちらが決めることでね」
「そうなるな」
「そう、だからね」
「それはわからないか」
「そうよ、あっちが頷いてくれたら」
「こちらも協力するな」
「そうなるけれど」
それでもというのだ。
「何度も言うけれどね」
「あちら次第だな」
「そうよ」
こう言うのだった。
「あくまでね」
「欧州の星の方々はどなたも神か天の星で」
エチェニケが述べた。
「独立心の強い方ばかりと聞いていますが」
「そうよ、どの子もね」
「ご自身が欧州を統一せんとですか」
「考えてるわよ、だからね」
「星の方々同士でもですね」
「激しく争っていて」
そしてというのだ。
「それもね」
「欧州の統一を遅らせているのですね」
「ええ、神星同士も争ってるし」
「あちらはですか」
「そう、統一が遅れていて」
「技術革新等もですね」
「戦の中で導入していってるけれど」
軍にというのだ、軍事技術からの技術革新もまた非常に多い事例である。例えば通信もそうであるしインターネットもだ。
こちらの世界の欧州でもそれは進んでいる、だがそれでもというのだ。
「あちらは元々がね」
「こちらの世界では技術的には行進で」
ダリーオが述べた。
「革新していっていても」
「精々中世ね」
そのレベルだというのだ。
「大砲もまだ未熟で城壁もね」
高い石の壁ですね」
「そうよ、砲撃のことを考えていない」
「中世の城壁で」
「そこにも出ているわ」
城壁も時代によって変わる、陵塁式という斜線の土塁を築いて星型にしてその中に都市や要塞を置く形式は大砲がかなりの威力を持ってからなのだ。
「もうとにかくね」
「この世界の欧州は技術的には後進で」
「人口も少ない方よ」
「そうですか」
「ただ。星の子は多いから」
このことはあるというのだ。
「日本程じゃないけれどね」
「三十人以上いるからね」
ニキータも言ってきた。
「多いわよね」
「しかも全員神星か天の星の子達だから」
「強いのね」
「そう、強いわよ」
この人は否定出来ないとだ、アレンカールはニキータに答えた。
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