夢幻水滸伝
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第百四話 公園においてその八
「技術も国力もね」
「我々よりもですね」
「落ちるわ」
そうした状況だというのだ。
「どっちも、特にロシアも人口多いけどな」
「人口は多くともですね」
「技術も総生産も」
そうした要素がというのだ。
「低くて」
「それで国力もですか」
「そうなってるのよ」
「そうですか」
「技術が上がって」
アレンカールはさらに話した。
「色々な道具や穀物が出てくるでしょ」
「そうですね」
白い大柄な犀人で青い上着とズボン、それにマントという恰好の男が言ってきた。地察星ジョゼッペ=エチェニケである。ペルー出身で職業は野生児持っている神具は強力な武器で気を放てるチャクの斧そして己の身を守るビマルコカパックの衣だ。
「今の我々もそうですし」
「農具にしてもね」
「いい農具がどんどん出て来ていて」
「産業革命の中でね」
「麦やお米にしても」
「ジャガイモもね」
そうした主食になるものもというのだ。
「変わってきてるわね」
「そうですね」
「けれどよ」
「ロシアやインドはですね」
「産業革命はまだよ、それに」
さらにだ、アレンカールは話した。
「産業革命は欧州だったけれど」
「この世界では太平洋が、ですね」
緑の丈の短い法衣とズボンを着たザリガニの甲殻人である、地醜星アルフォンソ=セスペデスである。ボリビア出身で職業はソーサラーである。持っている神具は己の知力を上げてしかも敵の術を跳ね返すイツラコリウキの鏡と地震を起こす力のあるラペヨロトルの靴である。
「産業革命が起こっていますね」
「そうでしょ、アメリカからはじまって」
「各地域に広まっていますね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「アフリカや地下世界にも及んでいるけれど」
「欧州は」
「全く」
「そうよ」
そうなっているというのだ。
「こっちの世界ではね」
「確か」
ここで言ってきたのはエルフの眉目秀麗な女だった、金髪が特に美しい。着ている法衣は白でワンピースのスカートの様だ。地教星マリア=ロア=パストスだ。パラグアイ出身で職業はドルイド、持っている神具は地母神の力を宿したコアトリクエの鞭と己の知力を上げあらゆる攻撃から身を守る星のドレスコヨルショウキのドレスだ。
「欧州、西欧は元々」
「ええ、世界の辺境と言ってよくてね」
「長い間技術や文化においては」
「後進地域だったわ」
「そうでしたね」
「東欧はましにしても」
欧州でもとだ、アレンカールはマリアに話した。
「それでもだったでしょ」
「学校の授業でも先生が言っていましたね」
起きた時の世界でとだ、マリアも応えた。
「そうでしたね」
「そうよ、ローマ帝国崩壊後はね」
「長い間技術的にはでしたね」
「国力も低くてね」
「まさに僻地でしたね」
「人口も少なかったし気候も寒冷でね」
そうした要素があってだったのだ、欧州とりわけ西欧は長い間世界から見て未開発の僻地であったのだ。
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