八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百二十七話 お見合い相手その二
「むしろ慕われています」
「そうなのですね」
「最初は嫌われていても」
その厳しさ故にだ、ミンチン自身が言っている様に確かにミンチンはいつも最初は学生達に嫌われる。
「それでも自分達と向かい合って尊重もし公平なら」
「慕われますか」
「厳しいのは問題ではなく」
「向かい合うことですか」
「学生さん達を馬鹿にされていますか」
「とんでもない。誰もが心がある人間です」
ミンチンはすぐに答えた。
「ですから」
「村長されていますね」
「ましてや連合は市民の国です」
もっと言えば階級のない国である。
「誰もが市民なのですから」
「それで、ですね」
「人として接しています」
自分と同じだというのだ。
「年齢が違っていてもかつては私達もです」
「学生さんだったので」
「そのことも頭に入れて」
そしてというのだ。
「授業を教え指導もです」
「されていますね」
「そうです、学生さん達も何時かは」
今は若くともというのだ。
「先はです」
「大人になって」
「そしてです」
「私達と同じ先生にもですね」
「なる人もいますので」
だからだというのだ。
「そこは誰にもわかりませんね」
「そうしたことは考えていませんが」
「同じ人とですか」
「向かい合う様に意識して」
そうしてというのだ。
「接しています」
「それがいいと思います」
「学生の人達から評価される」
「そうです、それがです」
まさにというのだ。
「いいことだと思います」
「相手の人を認めて向かい合う、ですか」
「このことはやはり誰でもです」
マリアはメソポタミア独特のレリーフ、髭の長い男達や蠍の尾を持つ神獣ムシュフシュのそういったものを見つつミンチンに話した。
「嬉しいことだと思います」
「自分と向かい合ってくれるなら」
「私もそうですし」
「それは私も」
ミンチンもだった。
「自分を認めてくれている」
「そのことがわかるので」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「自分と向かい合ってくれている人は」
「認めてくれて」
「やはり嬉しいので」
「自分も認めるというのですね」
「そうだと思います、若しです」
マリアはミンチンにさらに話した。
「幾ら冗談を言っても」
「それが面白くともですね」
「自分と向かい合っていないなら」
「そうした先生は」
「人気が出ないと思います」
「学生の人達が自分を認めていないと思い」
「もっと言えば馬鹿にしているとさえ」
その様にというのだ。
ページ上へ戻る